東ノナメ沢

2006年8月6日

あのねー、新人だからってレベル落とすのいやなの。それにねー、このまえ一人で行って来たけど、大丈夫だよ。といわれ、釜ノ沢へも行っていないのに、2年目にして東のナメ沢へ。4段300mのナメ大滝が核心というか、この沢のすべてです。

最初は沢靴で取り付きましたが、すぐに傾斜がましてフリーズしてしまい、泣きそうになって引っ張り上げてもらってテラス状のバンドへ。ここでフラットシューズに履き替えようとしたらmasaちゃんが月星印の運動靴を取り出し、これいいよ、履いてみたら、と言います。

そう、彼はどんな沢でも山でもこの運動靴なのです。わざわざ予備を持って来てくれたらしいのですが、もちろんno thank  you 。フラットシューズに履き替え、さあこれからが本番と、気合いを入れました。

さすがにフリクションが良くきいて快適です。トップロープでも思い切りが入りますが、フリクションを信じてエイッ!と大きく声を出しながら登って行きました。結構大丈夫なことがわかると、怖さと面白さがミックスして自虐的な快感となっていくから不思議です。振り返ると大滝のナメがはるか下まで見渡せて、爽快この上ありません。

調子にのっていたらmasaちゃんに、じゃあリードしてみたらといわれてトライ。すごい傾斜ですが、信じる者は救われる・・・という感じで、フリクションの神様を信じて登りました。少しだけだけれど、リードできて嬉しかった。

そのあと少し登ったところで再びリードを試みたのですが、今度は傾斜がありすぎてどうしても登れずにギブアップ。そこを越えると最後の2ピッチくらいは傾斜が緩み、楽しく登っていよいよフィナーレへ。やったぁーとバンザイポーズ。

でも、これからが長かったのですよ。大滝上は普通の沢で、水もほとんど涸れ気味です。暑さでへとへとになってしまい、鶏冠山直下の尾根に抜けるまでに3時間もかかってしまいました。

鶏冠尾根を下るのは恐ろしげだったのですが、最初は踏み跡が明瞭な樹林の道でした。岩尾根に出たところから岩峰を振り返るとなかなかの迫力。一ヶ所懸垂するところがあるとガイドに書かれていたところでも、リーダーはすたすた降りてしまいました。ええっ、ロープで懸垂しないのー、このままじゃ降りられないよーと訴えても聞いてくれません。

これくらいクライムダウンできないようじゃ、会でやっていけないというのです。もう泣きそうになりながら、手足を教えてもらって這々の体で着地。やれやれ、大滝よりもここが核心でした。

太陽が沈み始め、最後は時間と競争するように駐車場に戻り、ぎりぎりでヘッドランプを使わずにすみました。かなりチャレンジで時間もかかりましたが、振り返ってみれば、なかなか得難い楽しい経験となりました。masaちゃん、ありがと!

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