ブナの沢旅ブナの沢旅
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カテゴリー:雑記帳
2021.03.26
極上のブナ林が広がる栗子山塊の隠れた名峰

栗子山塊の盟主といえばどっしりとした広い山頂の栗子山だが、実際にはわずかながら栗子山よりも標高が高いあまり知られていない山がある。分水嶺の背稜には位置していないため縦走路からはずれており、そのため訪れる人はほとんどいない。けれど自分を含めほんの一部の人たちには奥深いがゆえに憧れの存在でもある。

たんに「隠れた名峰」といったキャッチフレーズに惹かれたわけではない。なによりも惹きつけられたのは、すばらしいブナ林が広がっているということだった。もともと栗子山塊は滑谷沢に入ったのが最初だった。まだほとんど知られていない沢だったけれど穏やかで源頭には美しいブナ林が広がっていたことが印象的だった。以来何度か訪れているうちにいつか七ツ森にまで足を延ばしてみたいと思っていた。

沢からは自分には難しそうだけれど積雪期にはいけそうだ。その思いを実現させることができた。予想以上にすばらしいブナの森が広がり夢見心地の時を過ごすことができた。七ツ森の山頂を踏むこともできた。標高は栗子山よりもわずかながら高い栗子山塊の隠れた盟主といってもいいだろう。南東北の山がすべて見渡せる程の展望の素晴らしさもあいまって会心のブナの山旅となった。

 

 



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2021.03.18
遠い昔峠道だった枯木山

遠い昔下野国(栃木)から会津へ抜ける道の一つに、湯西川から枯木峠を越える道があったという。江戸時代の下野國全圖には湯西川の西、花和から北に延びる尾根に尾根道が記されている。国境は「枯木峠の峯から荒海嶽の尾根」。ということは田代山からの尾根が合わさる枯木山南の肩が枯木峠と言われていたらしい。「新編会津風土記」では「道殊に嶮しく牛馬を通ぜず、高手原村(湯西川の一集落)と峯を界ふ」と険しいながら人の往来が示唆されている。枯木山は大毛無山とある。

湯西川温泉の猟師宿の山口久吉氏は、枯木道峠 について「この道は、高手と花和から北側の山道を登り、山の神の峰に出て峰筋を北上し、石休道から楢の木休道、そして悪志沢と木の沢の峰筋に出て、この峰を北上して枯木山の麓を通り、岩代國湯の花温泉に出る峠道であり、私の伯母が若いときこの山道を通って、湯の花から里帰りした峠道でもあった。」というとても興味深い文章を残している。実際に地図でこの峠道がどのように付けられていたのかなかなか想像しにくいが、険しい道だったことは確かだろう。

枯木山について歴史のほんのさわりをなぞっただけだけれど、名も知られざるこんなに奥深い山にも人々の営み、交流の足跡が残されていたことを知った。当たり前のことかもしれないが、何も知らずに登るよりも何倍も染み入る山旅ができる。

「ふくしま百山紀行」の奥田博氏は枯木山を「無名で、奥深い、何の取り柄もない、偉大な山」ゆえに「会津らしい山の代表」だと記している。なのに後年改版された「新福島百山紀行」では「何らかの形で道(あるいは道形)」のある山という尺度から27座を入れ替え、登山道の無い枯木山が消えてしまったのは残念だし「会津百名山ガイダンス」にも掲載されていない山だけれど、だからこそ会津の山好きには一種「憧れの山」であるのかもしれない。

今シーズンはじめてそんな枯木山を訪れることができた。そして予想以上にブナが多く展望の良い山だった。

 



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2021.03.09
ブナにどっぷり浸かった奥会津の山

以前からいつか行きたかった奥会津のブナの山へ。予報に反して青空はなかったけれど、予想以上にすばらしいブナの森を歩くことができました。最初はよくある里山風情でしたが、標高を上げると広い尾根に樹高の高いブナが一面に林立。奥へ行くほど風格がましガスが立ち込めたためむしろ雰囲気がでてきました。

登山道のない積雪期限定のルートです。低山でそれほど展望がいいわけでもありません。ブナしかないけどブナがいい山です。南会津の山毛欅沢山周辺のブナ街道は毎年通っていますが、そことはまた雰囲気の違うブナ林でなかなかのものでした。来年にまた行きたいです。青空の霧氷が期待出来るタイミングを狙って。

 

 



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2020.10.30
古の万世大路から沢を繋いで栗子山

晩秋の沢旅もそろそろ終盤にかかり、こんな時にピッタリのお気に入りの沢に行ってきました。初めて訪れてからはや11年。新緑がステキでした。2回目は4年前初秋、身辺にいろいろあって疲れた心身を癒す旅でした。今回はちょうど紅葉が見頃で気候もよく快適な沢歩きから、ヤブを抜けて隠れた歴史をもつ栗子山へ。尾根を下って沢を下り、沢を繋いで古の万世大路から(陳腐な表現ですが)タイムトリップのトンネルを抜けて現世に戻ってきました。

 

(万世大路の歴史については、高桑信一さんが書かれた記事が興味深いです。)

 



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2020.10.18
登山道でキノコ狩り@船形山

青空の紅葉を楽しみたくて二週続けて東北へ遠征してきました。今回は船形山のブナ林がちょうど色づいているだろうと期待。初日の登りで地元のキノコ狩りのご夫妻からキノコを分けてもらい宿泊した山頂小屋で美味しくいただきました。そのせいもあって翌日のブナの森を下る道すがら、なんとなくキノコ目になっていました。そして、そのかいあってかキノコ狩りができました。

ブナの古木にナメコが鈴なりに生えていたのです。広がった登山道のちょっと脇に入ったところなので、よくぞ無事に残されていたものです。登り升沢コースで下りの長倉尾根は距離がながく車の周回コースにしにくいので地元の人はあまり歩かないのかもしれません。ナメコのつぎはブナハリタケも収穫しました。下の方で林道が近づくあたりは収穫されていましたが、さすがにキノコ狩り目当ての人は多分ここまで登ってくることはなさそうな場所でした。両方合わせて1キロ以上の収穫。他にも2、3種類食べられそうなキノコがあったのだけれど、あまり知識がないものだから安全のためスルーしました。

紅葉も素晴らしくおまけに予想外のキノコ狩りもできて、とても充実した山旅となりました。収穫したキノコは帰宅後すぐに洗って下処理をおこない、まずはすぐに食べる分量をザルに入れ残りのナメコは冷凍して少しずつ楽しむことにしました。

 

(1100m付近の尾根が広がった平坦地になったところで発見)

 

 



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2020.10.11
クマとの遭遇顛末記

10月7-8日、葛根田川を遡行して大石沢出合に泊まり、翌日戸繋沢に入って裏岩手縦走路に抜けた。その時仲間が最後の水汲みをした場所にポシェットを置き忘れたと取りに引き返した。その間登山道にザックをおろして沢装備をとき靴を履き替えたりしていた。しばらくすると登山道わきの笹薮がザワザワし始めた。最初はまさかクマとは思いもしなかった。仲間が急いで戻るためにヤブに入ってショートカットしたのだと思い「○○さ〜ん、こっちですよ〜」などとしきりに声をかけた。なのに一向に返事もなく姿もあらわれない。それなのにまだおかしいと思わず、他に沢を詰めてきた人がいるのかしら、なんて思って「誰かいるんですか〜」などとさらに声がけ。一向に返事も姿も見えないうちに笹薮のざわつきもなくなった。(思い起こせばかなり呑気)

。。。? それでようやく、ひょっとしてクマ? きっとそうだと思いなおす。でも姿は見えないし笹のザワつきもないのでいなくなったのだろうか。。一人でいるのも不安なので戻ってくる仲間のところへ合流した。近くにクマがいることを知らせて恐るおそるザックのところへ戻ろうとすると、ついに前方に黒いモノを発見。やはりクマだった! 少しザックを離れていた間にクマがやってきて私のザックを引きずったようで道の真ん中に転がっているのが見えた。二人で思いっきり笛を吹いたり叫んだりしたのだが、いっこうに立ち去る気配がない。そのうちに登山道を横切るクマの姿がはっきり見えてその巨大さに驚く。これまで何度かクマを目撃したことのある仲間はこんなに大きなクマは見たことがないという。

少し離れた登山道の木陰からずっと様子を見ているうちにクマは私たちに顔を向けた。その時クマと目があったように思った。真っ黒な巨体で目がキラキラ光って見えた。けれどこちらに襲いかかる気配も威嚇する様子もなく、あいかわらずのらりくらりしている。このクマは登山道をうろついているくらいだから人馴れしているのかもしれない。

ずっと様子見をしているうちに物音もせず姿も見えなくなったように思えたので少しザックに近づいて見た。すると、まだいた。離れたところに座り込んでいる。なにしてるんだろう。私たちがいなくなるのを待っているのだろうか。またもとの場所に戻って様子見を続ける。場所は蟹場分岐から200mほど西に下がったところだ。あれこれあせってもしょうがないし、根くらべを決め込む。小一時間ほどしてまったく音も聞こえず姿も見えない様子となった。今度こそ大丈夫かとふたたびザックに近づく。どうやらクマは立ち去ったようだった。ふうっ。またいつあらわれるかわからないので急いで散らかした荷物をザックにほうり込んで笛を吹きながら立ち去った。

それにしても、笛を吹いても声をあげても何をしてもまるで知らんぷりのどこ吹く風で、のそのそしているクマが登山道をうろついているとは。。。山の中とはいえ、少し下れば温泉場がある。そして、一息ついてみれば自分のおバカ加減に笑ってしまう。一生懸命クマに話しかけていたのだから。でもそのおかげでザックを離れるまでは姿をあらわさなかったのかもしれない。クマの身になってみれば、自分の棲息地に登山道なんかできて人がやたらと通って迷惑かもしれない。などと、離れて余裕ができてみればこんな気持ちにもさせられたクマとの遭遇だった。

(おそろしくて正面からの写真はとれなかったのですが、真ん中の黒いのがクマのお尻で、手前の白っぽいシートの下にザックが転がっている写真です)



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2020.08.30
楢俣川のユルフワ沢で避暑沢歩き@奥利根

2020年8月27-28日

楢俣川本流へ行きたかったのですが、連日の猛暑で夏バテ気味。あの長い林道歩きで力尽きてしまいそうだと、楢俣川で一番アクセスの容易な洗ノ沢へ。5年前に遡行した時は朝方の雨で気づくとテン場が水没しそうなほどの大増水でとても怖い思いをしたという思い出の沢です。2日目は増水の沢遡行で小滝でも巻いて詰めたのでほとんど印象がないので、再訪してみるのも悪くないというのも選んだ理由の一つです。

洗ノ沢は他の楢俣川支流沢に比べても小ぶりで穏やかで、登攀的な沢好みの人には物足りないかもしれませんが、豊かな森を流れるナメ沢を歩くのが好きだし、歳を重ねても不安なくあるけるのでちょうどいい塩梅です。

沢が登山道に近づくところで切り上げる日帰り遡行だと、ハイライトのナメ帯と大滝をパスすることになるので、さらに「つまらない」かもしれません。全体の印象では、最初のゴーロってこんなに長かったかな~、ハイライトのナメはこんなにあったかなあ~という感じでした。ただ上部では5年前にはなかったビーバーダムが何箇所かできていて、近年の台風豪雨の爪痕を感じました。

笠ヶ岳は隣の至仏山と違っていつも静かでいいですね。湯ノ小屋への下山路は歩きやすくていい道なのだけれどとにかく長くて今回もかなり疲れ果ててしまいました。洗ノ沢はもう行くことはないでしょうが、一度は遡行する価値あると思います。

 

 



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2020.08.05
中高年のナルミズ沢は2泊3日で

ようやく梅雨が明け、気持ちはさあ沢旅にでよう!なのですが、例年にない長雨で沢はいずこも増水が予想されます。おだやかな沢が多い東北は天候がイマイチ。谷川、会津方面がよさそうなので自粛中に計画を作っていた楢俣川のまだ入っていない沢へ行きたかったのですが、とにかく増水に弱い弱小パーティなのでう〜ん。

ということで、わたしは何度も入渓していて安心感があり、なぜか仲間はまだ行ったことがないナルミズ沢に落ち着いたのでした。ナルミズ沢は唯一単独入渓して沢泊したこともある安心感のあるキレイな沢なので仲間にも一度は行く価値があるということを伝えていたところでした。ただ沢を詰めてからの下山路は、朝日岳から白毛門ルートは暑さと体力消耗が予想されるため宝川に下ることにしました。

いつものように東黒沢に入ると予想通りこれまでで一番水量が多く、過去のコースタイムはまったくあてになりませんでした。ウツボギ沢出合いの広河原でタイムアップの幕営。翌日の長時間行動は覚悟の上で、こちらは多少の増水でむしろ以前よりもキレイだったナルミズ沢を楽しく遡行して雰囲気のいい源頭部へ。これで終わればいいのですが、これから朝日岳経由でテン場に戻り、テントを撤収して宝川温泉へ下らねばなりません。

でも、結局は疲れ果ててしまい時間も押して宝川への下山はできませんでした。途中で早くもその予感がしたため相談の結果、無理しないで延泊が可能なのだから自然体で行こうということになりました。そのため疲れたけれど気が楽になり、予定通りではないけれど想定内の延泊ということでベースキャンプに2泊して翌朝下山したのでした。

ナルミズ沢はいわゆる癒し系の沢なのでしょうが、体力のある人にとっていえることだと再認識。なので、自分を含め年を重ねて体力が衰えてきた人は諦めず初めから2泊3日の予定で計画すれば無理なく楽しめる沢だと思いました。それにしても2回も単独入渓して2日目の夕方には白毛門登山口に下山したなんて信じられないと、遡行中何度呟いたことか。。

 

 

 



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2020.06.27
会越 八十里越のロマンと現実

県外移動自粛が解除になり最初に行きたいと思ったのが会越方面でした。最初は沢旅をと思ったのですが、日程の都合や天候不安などから山旅に切り替え八十里越を歩いてきました。前回は秋の紅葉時期だったので、緑の季節をもう一度歩いてみようと思ったのでした。最初に歩いた緑の季節が2008年6月1日なので12年ぶりです。あの時は1日で駆け抜ける体力がまだあったのだと今回あらためてビックリしました。

ブナ林の美しい古道という響きだけでうっとりとしてしまうのですが、現実はそれほど甘くありませんでした。アメとムチの八十里越なんていったら大げさかもしれないけれど、崩壊が進んでいるのでしょうね。すんなりいかないところもたくさんあって、けっしてノスタルジアに浸るだけの山旅とはなりませんでした。
これまではそんな風に強く感じたことがなかったのになあ~。。

3回目だという気の緩みからか、何度かうろうろしたことが納得いかず自分に腹が立ち、(帰りの電車で)だからまた行かないと気が済まないといいだして仲間に笑われてしまいました。とはいえ、歴史を知れば知るほどなかなか味わいのある山旅となりました。そして、行くならば山の色彩に変化がありルートもわかりやすい秋がお勧めですね。

ちなみに、今年は八十里越に直接間接にゆかりのある映画が2本上映予定だったのですが、今回のコロナ禍のためにどちらも上映延期(未定)になっているようです。一本は原作が司馬遼太郎「峠」で、河井継之助を主人公とした「峠 最後のサムライ」、もう一本は最後の瞽女と言われた三条出身(八十里の越後側起点)小林ハルさんの人生を描いた「瞽女」です。とくに役所広司の演じる河井継之助の映画のタイトル「峠。。。」は八十里越が重要な舞台なので、どのように描かれるのか上映が待たれるところです。(こういう場合はたいがいガッカリするのが常なのですが。。。)

 

 

(最後の写真はいつ完成するとも知れない国道新289号線の橋梁建設現場の遠望です)

 



1件のコメント

  1. akoです。

    そういえば最近は雑記帳でささっとお茶濁しの感想ですましているなあ〜と気付き、いかんいかんと自己レス。
    少しずつ山行制限も緩和され、解消されていくなかで、なまった体を動かしたいとけっこうハイペースでおでかけしたのも一因です。
    これからの1週間ほどは天気も悪いので予定なし。短くても記録をまとめてキャッチアップします!!

    と、ここに宣言。

    コメント by akiko — 2020年6月24日 @ 9:31 PM

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2020.06.19
名を知らぬ沢から古礼山〜雁坂峠へ

未知の沢のささやかなワクワク感を求めて、雁坂トンネル脇の小さな沢から古礼山に登ってみました。これまで遡行したことのある証明された綺麗な沢歩きもいいけれど、たまにはちょっとした冒険もしたくなります。(といっても、ほんとにちっぽけな冒険ですが。。)

出だしは冴えないのですが、次第に沢幅も広がってナメが多くなり、登るにつれて面白さが増してきました。悪いところは全くなかったですが、ナメが少し滑っているところがあるのと、やはり荒れ気味だったことが残念かな。源頭部は藪がまったくないすっきりとした笹原でとてもいい雰囲気でした。のんびり歩ける古礼山へのバリルートといったほうがいいかもしれません。意外なことに、南西尾根に合流するとテープがでてきました。あとで調べると南西尾根は歩いている人がいることがわかりました。

ナメの美しい古礼沢はかなり気に入っていて2回遡行していますが、まだ古礼山にタッチしたことがなかったので、ちょっと山頂にこだわったのでした。当初は水晶山鞍部から沓切沢に下るつもりでしたが、沢が荒れ気味だったのと、尾根歩きが気持ちが良かったので予定を変更。すこし遠回りになりますが、雁坂峠を回って下山しました。

今年はこれまで計画倒れにおわっていた奥秩父の沢旅をいくつか計画しているのですが、今年こそ実現したいと願いながら帰路につきました。

 

 



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