ブナの沢旅ブナの沢旅
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2021.09.07
豊沢川大沢川〜駒頭山〜穴ノ沢下降
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2021年9月7日

駒頭山はざっくり言うと花巻、鉛温泉の奥山で、最後は北上川へと流れ落ちる豊沢川源流のひとつ大沢川の源頭にある山だ。おおむね穏やかな沢で中流域は小滝をちりばめ、突然水枯れした涸棚登りになるかと思うと再び水がでてちょっと楽しいナメ滝が続き、最後は藪もなく登山道に導かれる、ブナ林の雰囲気が魅力の山だといえる。

最初は2012年1月に鉛温泉スキー場から登った。雪がたっぷりのブナの森が印象的で松倉山から駒頭山をたどった。2回目は2017年6月で八幡平の沢ハイキングの帰り道、鉛温泉に立ち寄ったついでにさくっと新緑ハイキング。そして今回は沢歩きの周回ルートだ。これで山を雪山と沢で繋ぐという、ブナの沢旅的テーマのささやかな完結となる。な〜んてね。

渡り温泉入り口から林道に入り、穴ノ沢出合の少し先にある駐車広場で沢支度。しばらくは大沢川沿いの林道を歩き最初の二俣を右へ進む。二俣までは車も入れそうだ。右沢沿いの林道は廃道化しており歩きにくくなったため適当なところで沢に降りる。ナメとゴーロの平瀬がつづくが雰囲気がいいので気楽にハイキング気分で進む。しばらくするとようやく傾斜がでてきて小滝、ナメ滝があらわれ沢登りらしくなる。

とくに期待もなかったので、いい沢ではないかと感じられる。すべて直登できるので楽しい。530mの二俣は左沢は前方に二段滝をかけてきれいだが、右沢は水涸した岩棚のようなゴーロ。思わず左に入りたくなるが地図をよーく見ると進むべき方向は右沢。ええっ、もう水涸れかと思いつつ淡々と岩棚を超えていくと再び水がでて普通の沢にもどる。おまけにそこそこの滑滝が続いたり。諦め気分が解消され最後は藪もない快適な源頭部を詰めて登山道にでた。

倒木に腰掛けてコーヒータイムを取り、ブナ林の美しい登山道を駒頭山へ。標識は手当てされた気配がなく四年前と同じく標柱から外れて地べたに落ちたままだった。四年前と同じように標識を柱に乗せて写真を撮り、元の場所にもどした。前日のナメトコ山は山頂を囲むよう手書き標識がいくつもつけられていたのとは大違いだ。

 

 

 

 

 

 

  

 

帰路は登山道から鉛温泉スキー場に下るのが簡単なのだけれど、車を回収しなければならないので途中から出発点に戻れる穴ノ沢を下る。上流部は枝沢がたくさんあるので登山道から一番入りやすそうな枝沢を下る。悪いところはなく降りやすい沢だ。所々あらわれる小滝も容易に巻く。次第に冗長感がでてきたところで古い堰堤があらわれる。ここからは沢を下ったり消えかけて藪化した林道跡をたどったりして駐車広場にもどった。

 

 

 

 

 

早くもナメトコ沢と大沢川の遡行が一体化した記憶になりつつある。それだけ顕著な特徴のない沢だからともいえるが、全体として毒ヶ森の山と沢歩きと楽しんだ山旅だったと思うことができればそれで十分だろう。

穴ノ沢林道駐車広場8:00ー大沢川ー828m鞍部登山道11:30ー駒頭山12:00/12:15ー穴ノ沢下降点12:45ー穴ノ沢林道駐車広場16:00