ブナの沢旅ブナの沢旅
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2021.06.09
入叶津〜浅草岳
カテゴリー:ハイキング

2021年6月9日

浅草岳山麓のブナ林に引き寄せられ、最近は毎年のように新緑や紅葉の時期に訪れている。しかも数あるルートの中でも決まって只見の入叶津からだ。たまには田子倉湖や六十里越から登ってみようかという気持ちがなくはないが、結局やっぱりブナの山旅は入叶津からに限るという思いに落ち着いてしまう。それだけこのコースのとくに平石山付近のブナの森が好きなのです。

今回は当日発なので沼の平には寄れないのが残念だが、つぎに来るときは沢遡行のつもりなのでその時にはテント泊したいと思う。浦佐駅からレンタカーで只見へ向かうがやはり遠い。歩き始めたのはすでに陽も高い10時近くとなる。早々に汗ばみながらまずは山神ノ杉で一休み。沼の平への道を横目に、すでに深い森となった平石山への尾根を登る。ところどころ原始的な様相のブナの巨木を見上げながら、途中からは尾根を絡めたトラバース道となる。残雪に覆われている5月に来るとルートを見失いがちなところだ。

平石山に近づくとすくっと背の高い美しいブナ林が広がる。道も平坦に歩きやすくなり、ブナの森歩きを楽しむ。贅沢を言えばここは残雪期の方が森の中を自由に歩くことができるのだけれど、今は登山道をそれると藪になってしまう。1250mを過ぎると残雪で登山道が隠れたりあらわれたりするため、何度かウロウロしてしまう。小三本沢源頭部はいつも遅くまで雪渓が残っているところだ。沢には豊富に水が流れていた。

10年ほど前の残雪期に大三本沢右岸尾根を登ったとき、この辺りで今はない避難小屋の屋根を掘り当てて喜んだことを思い出しながら雪渓を登る。しだいに展望が開ける。雪渓を渡りきり山頂に続く小道に入るとカタクリやショウジョウバカマ、シラネアオイなどの花が少しではあるけれど沿道にたたずんでいる。

山頂は誰もいなくて静かだった。もうじきヒメサユリの季節になると人出も増えるのだろう。いつものようにさっそく村杉半島の山々や会津朝日から丸山岳を目で追う。鬼ケ面の奥には毛猛山塊の山並み。会越方面は少し霞んで見にくいが守門、黒姫、烏帽子や以前に歩いた見えない峠越えの情景を連想したりで、あっという間に時間が経過する。山頂に着いたのは2時を回っていたため長居はできない。半時間ほどで山頂をあとにした。

登山口9:50ー山頂14:05/14:30ー登山口17:20

 

 

 

 

 

翌日はいつも浅草岳と合わせて歩いている布沢川大滝沢で沢ハイキングの予定。まだ本格的な沢登りは難しそうだけれど大滝沢で沢歩きから始めることにした。そして宿は初めて、かつて小学校の分校だった「恵みの森布沢分校」を選んだ。いつも通るたびに気になっていた施設で今回の楽しみの一つだった。下山が遅くなり夕食の時間に間に合わなくなるため温泉は後回しにしようと連絡したところ、宿泊は私たちだけなので遅くなってもいいから温泉に寄っていらっしゃいとのこと。この一言だけでよい予感を抱きながら深沢温泉湯ら里へ立ち寄り、さっぱりして分校に向かった。