まだあまり遠出はできないけれど、梅雨入り前に沢に泊まって焚き火がしたい、石塔尾根とやらを歩いてみたい。ということで、松木川仁田元沢へ行ってきました。一般には長めの日帰り沢ですが、体力的に余裕をもたせた、のんびり焚き火の沢泊まりです。時間の余裕があるので、わざわざ行くことはなさそうな庚申山まで足をのばしてから石塔尾根の稜線漫歩を楽しもうというもくろみでした。
仁田元沢は数年前に笹ミキ沢を遡行して尾根を越え下降したことがあります。何もない沢だけれど渓相はいいという評判通りの沢で、下降するにつれいい感じになっていったので、のんびり歩くにはちょうどいいと思ったわけでした。
木漏れ日で煌めく沢歩き。大岩ゴーロなのだけれど白い花崗岩なので悪くありません。ちょっと丹沢の玄倉川を思わせる雰囲気でした。前回下降した時に印象に残っていた中洲台地は格好の幕営地。無心になって焚き木を集めて火を熾します。このゆったりとした時間がとても好きなのです。今年は残雪期の焚き火ができなかったので、ほんとに久しぶりでした。これからもっと楽しめたらいいなあと心から思いました。
翌日は早々に源流遡行の雰囲気でスッキリと稜線に乗り上げました。ザックをデポして庚申山へ向かいます。登山道はありませんが、テープがあったり踏み跡があったりとけっこう歩かれている様子。間近に見える皇海山は凛々しく美しい山容です。石塔尾根は登山道がないとはいえかなり歩かれている人気の尾根。松木川側の荒涼とした岩稜の山筋と仁田元沢川のゆったりとした緑豊かな源頭部が対照的で興味深い稜線漫歩でした。松木川の川原からも見える「孤高のブナ」にも初めて対面。なぜ一本だけブナが生えているのか、以前はもっとあったのか知りたいところです。
心配していた重いザックを背負っての体力は、軽量化も心がけて大丈夫だったのでひとまず安心しました。ただ、大いなる反省点があります。沢旅の場合いつでも必要なときに水が得られるので水を運ぶという習慣があまりありません。そのため縦走中に必要な水分量を軽く見てしまい、水分不足でとても辛い思いをしました。最後は熱中症になりかけてしまったのでした。当日は麓の町でも30度を超える今年一番の暑さだったとのこと。これから気をつけなければならない苦い教えとなりました。
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