雪山シーズンに村杉半島や南会津の山々から見える未丈ヶ岳は、いつも真っ白で優雅に両翼を広げて美しい姿を見せています。最初に登ったのはもう10年前になりますが、あの時はジャンクションピークを巻いて時間切れとなり山頂に至りませんでした。翌年ベテラン揃いの仲間と奥只見丸山スキー場から再チャレンジしたのですが、山頂到達したもののほとんどホワイトアウト状態でした。
そんな因縁がある未丈ヶ岳なので、いつか展望のある山頂に立ちたいと思い続けてはや10年。。。年齢的に、もうこれまでのような形態の山は長く続けられないという気持ちを持ち続けているため、気になる山には今のうちに行っておきたいと今回計画したのでした。
ルートは違えど二度足を運んでいるので様子はわかっています。ジャンクションピークの下りさえクリアできれば問題ないと。ただ、小雪の今シーズンはまだ記録が見当たらないことが多少気がかりでした。雪の状態によっては過去の経験も参考にならないからです。日帰りは到底無理なのでテント泊とし、初日は日向倉山下の未丈ヶ岳だけを見つめるようないかした所に幕営。翌日も順調にジャンクション1376m峰にたち、いよいよ核心の下りとなりました。
半分くらい下った所で前方が切れ、ギャップの先に恐ろしくも美しい雪庇のウェーブ帯が現れました。う〜ん、ここをどうやって越えられるか。。私は早くも腰が引けてしまい仲間のトライを見守りますが、雪面が次第にクラストしてその急斜面を渡る自信がなく、無理は禁物だと早々に撤退を決めてしまいました。後でロープを持参しなかったことが悔やまれましたが、まあこれが自分たちの実力だと素直に認め、素晴らしい展望に慰められながら晴れ晴れとした気持ちで引き返したのでした。(とはいえ、あとで自分の不甲斐なさに情けなくなりましたが。。)
というわけで、またもや展望の山頂を踏むことならずの因縁の山となりましたが、そういう山は思い出に残る山になるのだと思います。
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