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2019.10.29
腰椎骨折顛末記@足尾 神子内川黒沢
カテゴリー:雑記帳

6月初旬に腰椎骨折してから5ヶ月。そろそろ沢シーズンも終わりに近づいているので、簡単に当時の状況について記録を残しておくことにしました。

事故を起こした沢は足尾の神子内川黒沢です。初級の沢とされていますが、巻かずに直登すると初級としては難しい滝が2、3あります。それ以外は小滝が幾つかあるだけのどちらかといえば平凡な沢ですが、溪相は近場の沢にはないよさがあります。一つ目は前半すぐに現れる10m滝(写真左上)で、これは上部の手がかりを見つけられないとちょっと苦労します。二つ目はトイ状滝(写真左下)。滝上に乗り上げるところがリーチが長くないと難しいのですが、手前左壁に残置があるので確保の安心感でトライできます。でも何度かやっても最後が届かずにストンと落ちてしまうため、頑張って右側壁スラブに乗り上げてなんとかクリア。ここでうまくいったために気をよくして三番目の滝(写真右下)へ。ここをクリアすればあとは穏やかに詰めるだけというところです。

仲間が水流がある右側を登りますが上部に手がかりがなく、水流左にトラバースするのも滑りがこわくてできずに仕切り直しとなりました。そこで私が左側の水流のないスラブに取り付いてみました。全体にぬめっていてこわごわでした。中段くらいまでいったところで直上不可になったため、右側の乾いた岩に横移動でのりあげようとギリギリでトライしたところでフェルトソールがツルッとすべって下まで滑落。すべった足の具合で前向きになって滑り落ち、最後はドーンと着地してしばらく動けなくなりました。傾斜はそれほど強くありませんが、高さ3~4m、長さ数メートルの滑落です。悪いことに空身だったので、直接腰を打ったというのではないのですが、大きな衝撃を受けました。ザックがあれば衝撃が緩和されたかもしれません。

しばらくしてなんとか起き上がり歩くこともできたので、下山するしかありません。幸い救助要請するほどでもなさそうでした。こういう時は仲間の動揺の方が大きいかもしれません。私自身は歩き通せるかどうかなんて考える暇もなく必死でした。まずはやっと越えたトイ状滝を下らなければならず、懸垂しました。ここで問題発生です。懸垂後にロープを回収しようとしたら、トイ状滝の中の岩の隙間にロープが挟まって回収不能に。すごくみっともないと思ったけれど残置するしかありません。こういう時に限っていつも携帯していたナイフを持ち合わせていませんでした。そして、これはナイショにしておこうとも思ったのでした。

その後は仲間になるべく歩き易いルートを先導してもらい、ストックを頼りに巻きながら沢を下り、数時間かけてなんとか駐車地点までもどることができました。近くに救急病院がないか探したのですが見つからず、休日でもあったのであきらめて帰宅しました。

二つ目のトイ状滝をチャレンジ気味にクリアできたので、調子に乗って気が大きくなっていたと自己分析。残置したロープについては、後日の遡行記録が出たのを見たところ、かなり傷んだ形でそのままになっている様子。できれば再訪してロープを始末したい気持ちです。

翌日病院にいって診断してもらったところ、腰椎2本骨折、肋骨の軟骨骨折の診断となったことはすでに「ただいま故障中」で報告した通りです。現在の回復状態は80~85パーセントというところでしょうか。歩くのは問題ないのですが、岩に立ち込んだりへつったりする時に十分力を入れることができません。来年までは回復してほしいのですが。。。

とまあ、こんな具合で情けない顛末なのでした。

 

 



4 Comments

  1. はじめまして
    いつも興味深く、ホームページを拝見しています。

    10月27日、私も黒沢を訪れました。
    台風と長雨の影響か、水量が大変多く、とても滝を登れるような状況ではなかったです。
    巻いてばかりで沢登りにならないなあ、と思って歩いていましたが、事故報告をされた滝の高巻き中に、同じく事故があり、そこから撤退となった次第です。

    私たちの方は、滑落ではなく、私が不注意で起こした落石が同行者に当たって負傷したものです。
    軽傷ではありましたが、本人が下山を希望しており、少なからず動揺もしているようなので下山を決めました。
    跳ね返った石が、左の眉の辺りにぶつかったようでした。

    状況は異なりますが、同じ地点での事故ということで、少し驚いています。
    快癒には、まだしばらくかかるのでしょうが、お大事になさってください。
    沢登りだけでなく、雪のレポートも楽しみにしています。

    なお、当方の負傷者は、この三連休も元気に沢登りに出かけていますので、傷は心配ないかと思います。

    Comment by たぴおら — 2019年11月6日 @ 12:50 PM
  2. たぴおらさん

    コメントありがとうございます。
    まあ〜、黒沢へ、そして同じ滝のところでアクシデント、撤退。。ですか。
    でも、同行者さんは軽症でよかったですね。この滝については、少し前になりますが某山岳会で単独入渓した女性が滑落したけれどことなきを得たという記録もありました。けっこう鬼門の滝のようです。

    ある山ともには私が事故った山(2回)はいつも足尾だねといわれました。数年前は(多分自己誘発?の)落石で肋骨骨折でした。やはり足尾山塊は全体が脆い印象はありますね。

    思った以上に全快には時間がかかりそうなので、すこしでも役に立てばと、生まれて初めてカイロプラクティックに通い始めたところです。
    沢シーズンもそろそろ終わり、いよいよ雪山が始まると思えば、それも楽しみです。

    Comment by akiko — 2019年11月6日 @ 5:29 PM
  3. ブナの沢旅 akiko様

    たぴおらです。

    黒沢の件の滝は、平水の際に苦労して登っている記録も散見され、要注意の場所のようですね。
    いずれ、現場検証を兼ねて、再訪したいと思っています。

    ところで、鳴虫山へ行かれたんですね。
    実は、私もこの4日に連れ合いとハイキングで訪れました。思ったよりも、眺望が得られなかったので、少し中途半端だったんですが、初めて訪れた憾満ヶ淵は、増水気味のせいもありなかなかの迫力でした。
    で、地形図を見て、登山道のそばを流れる沢に「素麺滝」と記されているのが気になっていました。
    ヤキバ沢というんですね。気になっていたところの記録が、こんなに早く拝見できるとは…。
    ということで、連投になりますがコメントさせていただきました。
    沢をやっていると、目のつけどころが似てくるんでしょうか…

    URL欄に、所属山岳会のホームページURLを入力させていただきました。もしよろしければご覧いただけると幸いです。
    黒沢の記録も事故報告を兼ねて、近々投稿しようと思っています。

    Comment by たぴおら — 2019年11月9日 @ 5:53 PM
  4. たぴおらさん

    鳴虫山、1日違いで偶然ですね。たしかに眺望はイマイチでしたね。いろいろと突っ込みを入れるところがあるとは思いますが、地図にはでていない修験者の尾根があるようで、歴史をかじっていくとそれなりに興味深いようです。

    ヤキバ沢の「素麺滝」は江戸時代の古地図にも名前がでているとのこと。なんで「素麺滝」かは一応逸話があるようですが。。。わざわざ行くほどではないけれど、素麺のレンバク帯とその上の鳥餅滝はけっこう楽しめました。

    所属山岳会のホームページと黒沢の記録拝見しました。HPは何度か見たことがあり、昨年解散した会の一部の方々が新しく作った会だと理解していまして名称にこだわりを感じていました。これからも折につけ拝見させていただきますね。

    Comment by akiko — 2019年11月9日 @ 10:26 PM

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