ブナの沢旅ブナの沢旅
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2019.05.31
世附川・山伏沢下降〜西沢
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2019年5月30日

今年は例年より遅くようやく沢始めとなった。6ヶ月も空いたのは今までになかったことで、最近は「ブナの沢旅」をやめて「ブナの雪うさぎ」(なぜ雪うさぎかは不明)にしようかなどと冗談を飛ばしたりしていた。そんなわけでずっと雪山マインドだったけれど、ひとたび沢に足を浸して緑のシャワーを浴びれば、眠っていた沢ごころがよみがえって来たのだった。

まずはウォーミングアップということで丹沢の比較的短い穏やかな沢を選んだ。世附川水系の沢は概ね短くて穏やかな沢が多い。これまではどちらかというと釣り師の沢だった印象だが、ウォーターウォーキングの時流もあり静かな人気があるようだ。逆に私が沢を始めた頃の初心者の定番だった沢のうち、葛葉川本谷をのぞく源次郎沢やセトの沢、新茅ノ沢などは記録をほとんど見なくなってしまった気がする。

山伏峠のトンネル脇にある登山道を登って大棚ノ頭から西丸へ向かう尾根を下る。登山道ではないが明瞭な踏み跡(というよりはっきりした道)を下る。西丸手前鞍部を少し進み、緩やかな沢筋を見下ろすところで沢靴に変えて落ち葉の積もった斜面を下る。降り立った山伏沢は丹沢には珍しいナメが続いて綺麗なところだが、なにしろ短い。檜洞丸のヤビキ沢よりは長いけれど。

30分ほどナメを楽しんだ後は出来るだけ沢の両岸を歩いて林道終点へと横着をする。さらに林道の分岐を左に入って西沢へのショートカット。途中に朽ち果てたプリンスブランドの小型バスがあることは承知の通り。たった1年ぶりでも経路の崩壊が所々進んでいてそのうち切れ落ちてしまいそうな箇所がいくつかあった。

西沢に入り少し遡行すると期待する階段状ナメが続く日本庭園風の渓相となる。二度目なので初めての時ほどのうれしい意外感はないが、ウォーミングアップにふさわしいのんびりゆったり感が心地いい。

 

いくつかある滝は960m二俣以降の後半に集中している。いずれも登れて楽しい。最後のチムニー状滝は去年ははなから近づきもせずに巻いたので、今回はせめて登れるところまで取り付いてみた。中段まで登ると少し頑張れば抜けられそうな印象。とはいえ無理することもないとここから右側に逃げて小さく巻いた。その後伏流となり涸棚が続いて高度をあげていく。1100mあたりの二俣で中間尾根に乗りあげた。地図で見るよりも急な痩せ尾根だったが、藪こぎなしで登山道にでた。

下界は夏日だったようだが、沢中はもちろん尾根の登山道にでてからも適度な風が爽やかで気持ち良く下山した。

 

 

山伏峠7:30ー沢下降点8:40ー西沢10:35ー登山道13:45ー山伏峠15:20