ブナの沢旅ブナの沢旅
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2018.07.14
湯檜曽川東黒沢〜ウツボギ沢左俣
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2018年7月13-14日

できれば東北へ沢旅に出たかったのだが、天候が今ひとつはっきりしない。沢泊の遠征をするなら梅雨明けの天気が安定してからにしようということになり、車がなくても行きやすいおなじみの谷川の沢でのんびりすることにした。

八年前は日帰りしたこともあるコースだ。初日は東黒沢を越えてナルミズ沢のキャンプ広場で泊まる予定なので、出発はいつもより2時間ほど遅くした。電車もバスも時間帯がちがうと乗客層も違ってくるものだ。

土合橋でバスを降りて登山口の駐車場を進むが、東京をはじめ遠方からの車が多い。すでに三連休が始まっているようだ。しばらくは沢沿いの登山道を進むと出発が遅かったせいか、早くも下山するキャニオニングのツアーグループとすれ違う。あまり沢登りらしい格好をしていなかったせいか、「ここに登山道なんてあったかなあ〜」という声。

ハナゲノ滝は何度見ても開放的ですばらしい。水量は平水だろうか。とはいえ上部はあっさり巻道に逃げる。白毛門出合から東黒沢へ。二俣出合の滝はいつも滑っているのはなぜだろう。

いつものきれいな東黒沢をおおむね快適に進むが、フェルト靴にした方がよかった。まだシーズン初めのせいか水際はよく滑る。東黒沢は今回で7回目なので、遡行図が頭に入っている。

唯一の瀞場に差し掛かって唖然とする。ミニゴルジュのところに倒木がたまって水がほとんど流れていないのだ。10年前に初めて来た時はかなり手前から深い淵になっていて最後は泳がないと越えられなくて大騒ぎをした思い出のところ。年々浅くなってはいたが、つい一年前でさえ、腰上まで水につかってへつり上がった。

 

ちょっと落胆したが、その後はふたたびきれいな沢となり、長いナメをひたひた歩く。途中小さな川原があるところで久しぶりの沢ソーメンをした。最近は余裕がなくなってしまったのか、ほんとうに久しぶりだった。

昔通りのきれいな沢も1000mを越えると平凡になり荒れ模様となる。後半はひたすら山越えをめざす。丸山乗越は残雪期の3月初めに通った時、藪が完全に消えてブナ林のすっきりした気持ちの良い平地だった。それほど苦労することもなく尾根をこえてウツボギ沢一の沢を下降する。

やはりザックが重いと時間がかかるもので、予定よりも1時間以上多くかかってウツボギ沢本流に降り立った。そのまま下って行くと右岸のテン場にはすでに先行者がくつろいでいた。軽く挨拶をしてナルミズ沢出合のキャンプ場へ。快適なテン場ではあるが、予想通り焚き火の枯れ木がない。ナルミズ沢の登山道へ入りなんとか倒木をかき集めた。

小さい焚き火となったが、広場とあたりいっぱいに青い煙がたなびき、十分に楽しむことができたのは幸いだった。

 

 

おなじみの東黒沢でさえも予想以上に時間がかかったので、二日目は油断できないと早めに出発。最初にあらわれるのが、小さな沢には不釣り合いな規模の大滝だ。右壁から小さく巻いて滝上にでると、あとは登れる小滝がつぎつぎとあらわれる。最初に遡行した時の記録を読むと、これ以上ないくらい絶賛している。今回は重いザックで滑る足元に気を使いながら歩いたため、いい沢であることは間違いないが、以前ほどの高得点とはいかなかった。

沢型は最後まで明瞭でずっと階段状のナメがつづく。油断しているとどんどん上がってしまいそうだが、この沢型をたどると笠ヶ岳山頂近くまで登ってしまう。1700mを越えたあたりで沢を離れ、笹薮をトラバースして登山道にでた。少し手前の左手に一段高い沢床の枝沢があったのだが、こちらに進んだ方がもっと手短に登山道に抜けられるのかもしれない。

登山道にでるととたんに暑さがこたえる。温度計は27~28度をさしていて下界とさほど変わらない。白毛門からの下りはつい20日ほど前の縦走で下ってこりごりしたばかりなのに。。。わかっていても来てしまい、また辛い思いを繰り返す。そんな中次々と登ってくる縦走の人たちとすれ違うたびに、大変だなと思いながら、自分も這々のていで東黒沢の川原に倒れ込んだのだった。

 

 

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