季節の進行が早い今年は、早くも山の花だよりがあちこちで聞かれます。当初は残雪と新緑の山旅を東北で検討していたのですが、天候や雪の状態などからピタッと期待に添えるようなプランができず、仕切り直す事に。そこで、それほど遠くないけれどいつもの近場よりは遠方感がある足尾で新緑の花ハイキングと沢初めをすることにしました。まずは初日から。
今の時期の足尾といえば、袈裟丸山あたりのアカヤシオやミツバツツジがネットを賑わしている印象ですが、ブナの沢旅は静かな山旅を信条としています。以前から気になっていた、登山道はないけれど知る人ぞ知る小法師岳に行ってきました。正確に言うと、小法師岳が目的ではなく小法師岳にいたる尾根を歩いてきたと言った方がいいでしょう。
結論から言うと、すばらしい!の一言でした。なによりもタイミングがよかった。小法師岳にむかう笹原のプロムナードはミツバツツジやシロヤシオがちょうど満開で、新緑とのコラボレーションがとても美しかったです。歩き始めたところからの標高差は1000m近いので、花が満開になるタイミングも異なります。もっと早い時期からミツバツツジやアカヤシオは咲き始めていて1000m付近ではもう散っていましたが、小法師岳のセールスポイントともいえる笹原のプロムナードは標高も高いので満開となっており、新緑もまだ初々しい若緑。
登山道や標識はありませんが、なにしろ知る人ぞ知る山なので、踏み跡は明瞭です。一部わかりにくいところもどんどん笹をかき分けて行けばいいのです。途中の巣神山までは地図にも破線の道が引かれています。その道は沢沿いで、どうも歩きにくく暗い道のようなので、等高線は詰まっているけれどよりわかりやすい尾根を直登したところ、むせかえるようなヤマツツジ尾根でした。それが巣神山付近からはミツバツツジに変わるだけでなく、全く予想していなかったシロヤシオがたくさんあらわれ、もうめまいがしそうなほどの花街道となっていました。おまけに帰路に立ち寄った小さなポコは一面がワラビ畑になっていて、お土産もたくさんいただきました。
これほどの山が丹沢や奥多摩にあったら、ちょうどミツマタフィーバーのように大賑わいになること必須ですが、他に誰もいない静かでぜいたくな花ハイキングとなりました。足尾は山岳景観的には華やかさにかける地味な山域ですが、だからこそ静かで好ましい山歩きができるため最近あらためて注目しているところです。
ワラビ畑
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