ブナの沢旅ブナの沢旅
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2018.05.03
消えていく愛情あふれる手作りの道標@世附峠〜籠坂峠
カテゴリー:雑記帳

丸山岳から戻って1週間たってもまだ余韻がのこり、次の山が考えられない状態でゴールデンウィークの前半が終わりました。前倒しで縦走したのに家にいると落ち着かず、気持ちを切り替えたいとブナの新緑ハイキングへ。例年丹沢主稜のブナは連休明けが芽吹きの時期なので、標高が低い三国山稜を歩いてみることにしました。この山域には湯船山から三国山にかけてブナの大木が見られるのです。

世附峠から歩くのは9年ぶりのこと。あのときは縦走路のポイントごとに愛らしいイラスト入りの手書きの道標があって、それを愛でながら歩くのも楽しみの一つでした。その後地元小山町で富士箱根トレイルの整備とかでその道標が撤去され、官製の立派な道標に変わってしまいました。部分的にはその後も歩いているのですが、今回久しぶりに世附峠から籠坂峠まで歩き、道標の現状を確認しました。

世附峠には簡易トイレが設置され、管理人さんらしき人が掃除をしていました。車でやってくる途中に登山者がいなかったのに私たちが突然あらわれた(理由は後述)のが意外だったらしく話かけられ立ち話。その中で、素敵な絵入の道標が撤去されて無粋な標識に変わって残念だと、思わず率直な感想をいうと、まあそういわないでくれ、管理が大変なんだと言われてしまい、当事者側の方であることがわかりました。そして絵入りの標識を作り、このコースの整備に一人で尽力された岩田さんが昨年亡くなられたことを知りました。私たちは岩田さんのおかげでとても快適に楽しく山歩きができていたのです。そしてそれが富士箱根トレイルの整備に引き継がれたわけでした。

幸い世附峠には山域の概要を記したカラフルな道標が残されており、久しぶりの再会を喜びました。その後は撤去されたもの、なんとか残っているもの、朽ち果てたものなど状態はさまざまでしたが、いずれ消えてしまう運命にあることが予感されました。そこで、9年前にまだ残っていた愛情あふれる手書きの道標の幾つかをここに残しておきたいと思いました。写真をクリックすると大画面になって文字を読むこともできます。

「樹下の二人」はなくなっていましたが、サンショウバラの季節には多くのハイカーを迎えているところです。改めて道標を読むと、1936年8月に徳富蘇峰が夫人とともに籠で、総勢50名を引き連れ山中湖から切通峠〜水ノ木〜大棚〜逢坂峠をへて至り、展望に見入ったとことで別名「蘇峰台」と呼ばれているとのこと。樹下の二人とは蘇峰夫妻のことだったのでしょうか。そんな歴史もあったんですね。

低山縦走の最高峰である1380mの大洞山付近はブナの新緑がいまだ初々しくとても美しかったです。前回は立ち寄らなかったブナの双子の大木がある立山にも足を伸ばしてみました。

それはそうと今回初めて気づいたのですが、この山稜を歩くのは標高1104mの籠坂峠を始点とした方がよほど楽に歩けるはず。なぜかそういう考えがなく、2回とも駿河小山の標高350mの山口橋から登っています。きっとたいしたことはないという、ちょっとナメタ気持ちがあったからなのでしょう。次回は逆ルートで歩くつもりです。ナメタ気持ちはしっかりルートの現状調査もせず、おかげで登山道が大崩落している場面に遭遇。仕方なく斜面を這い上がって尾根にあがりました。でも、そのおかげで古い仕事道にたどり着き、そこにはなんと延享二年と刻まれた石の祠があったのでした。帰って調べたら延享二年とは1745年8代将軍吉宗の時代でした。思わぬ歴史に遭遇できて、怪我の功名だとよろこびました。

と言う具合で、連休の中日に興味の尽きない新緑ハイキングを楽しみ、気分を一新することができました。

 

 

 

2018年5月1日

 

 

大洞山付近                立山のブナ

 



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