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2017.05.07
南会津のブナ街道完結編
カテゴリー:雑記帳

5月連休の山行というのは、シーズンが切り替わる時期にまとまった日程が取れるため、積雪期の山をしめくくるイベント的な計画が多い。今年の連休はどこへどのルートで行こうかと、随分前から希望があった。それは以前から憧れていたルートでもあり、いつか実現したいと思っていた。

ところが日程が近づいてもなかなか踏ん切りがつかず自分の中でゴーサインが出せない。その上同行者も消極的。双方ともに体力的に不安があるからだった。そんな状態で計画するのはよくないので次善の策として、3月に撤退したコースを引き延ばして体裁をつくろうプランをだした。自分でもあまり乗り気ではなかったが、これならば一冬で城郭朝日山から会津駒が色々なアプローチでつながるというコメントを受け、なんとか納得することができた。

そんなわけで今年に入って4回目の南会津詣でとなった。前半は2年前の同じ日にも歩いたところであり、あのときは尾根の取付きではブナの新緑が広がっていた。けれど期待に反して今年はまだ芽吹いていなかった。どうも今シーズンは、遅めにドッと雪が降り、遅めにドッと雪が融けたという印象だ。

大好きな山なのでいつ来ても飽きることなどない。ブナの稜線漫歩や坪入山への雪稜チックな登り、窓明山からのブナ街道俯瞰、三岩岳から会津駒へのゆったりと雄大な稜線漫歩、奥利根越後方面の素晴らしい展望などなど、ケチをつけたらバチが当たりそうないい山旅だった。

けれど正直にいって何かが欠けている感が拭えない。自分でも困った性分だと思うけれど気持ちは理屈でないから仕方ない。帰宅後、そんなネガティブ思考を増幅させるようなショッキングな事実を知らされた。

2日の早朝から出かけていたので知らなかったのだが、「その空の下で。。」の弘田さんが奈良県の下多古川本谷で滑落死したという。一瞬信じられなかったが、発見者のブログで概要を知った。弘田さんとは面識はないが何度かメールをいただいたりしてやりとりをしたことがあるし、記録はよく参考にさせてもらっていた。一体何が起こったのだろうと心が騒ぐが、今はただご冥福を祈るばかり。

安全な山行とあこがれの山に向かうチャレンジのバランスを、あらためて考えずにはいられない。

 

 



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