ブナの沢旅ブナの沢旅
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2016.08.05
前川大滝沢
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2016年8月5日

 

7月に尾瀬の火打石沢を歩いた。本当に滝らしい滝もない綺麗な沢で、それはそれで雰囲気があってよかった。私はむしろ最近はそういう沢を好んでいる。でもやっぱり夏だもの。もうちょっとは沢登り!という楽しい沢へ行きたくもなる。そんなわけで前回は、「今度は大滝沢みたいな文句なしに楽しい沢に行きたいなあ」などと言って帰路についた。

その大滝沢へ、悪天候の合間の晴れ日を狙っていく機会を得た。4年ぶりの4回目だ。うちからは遠い東北の沢に4回も行くということ自体が、いかに大滝沢が日帰り沢として、全てを兼ね備えた良渓であるかを示している。最初は途中からホラの貝沢を遡行するという話もあったが、東京を当日発では長い行程の沢は厳しいので、おとなしくいつもの大滝沢に落ち着いた。

水量は心持ち多い程度だ。ザックも軽いし、勝手知ったる沢なので、急いだ訳でもないのにペースが早い。大滝下まであっという間だ。ここで先行していた若者男女パーティに会う。最高の沢日和ですねと、挨拶する。

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大滝の巻き道は遡行者が増えているせいか、以前よりもかなりしっかりとしており、ちょっといやらしいトラバース箇所も、歩きやすくなっていた。その後も気持ちのいい遡行が続く。これまでは避けていた滑滝の中央突破(というほどでもないけれど)をyukiさんに促されてトライしてみたら、振り返って見える沢の景観が素晴らしかった。

以前釜をまわり込むところで水量が多く躊躇して登山道に逃げてしまったところでは、なんと釜が埋まって小さくなっていた。沢自体は荒れたところなどないのだけれど、やはりちょっとずつ変わっていくのかなあと思ったり。

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遡行するたびに苦手意識があるV字滝は泳いで取り付いた方が楽のようだが、緊張しながら右岸の壁をへつる。いつの間にか追い越した若者Pはとても威勢よく、どの滝も直登しているようだった。そこでこのV字滝上から、様子を見学してみた。急斜面のナメ滝を下らんばかりの位置に立って見下ろしているyukiさんを見てハラハラしてしまい、思わず「そんな所にいないでくれ」と叫んでしまう。

次第に沢幅は狭まり、大岩ゴーロの平凡な沢になると急に疲れを感じ始める。早々に右岸の枝沢に入り、あっという間に登山道に上がった。

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下山路は、滑川温泉に通じる吊り橋が通行不可になっていたため沢に降りて渡渉後、車道に這い上がって車に戻った。まだ3時と早いので、目の前の滑川温泉ではなく、少し奥の姥湯に行ってみることにした。私が行ったことがないというと、一度は行ってみる価値があるという。景観が穏やかな吾妻連峰の山とは異質の世界で、とても興味深かった。

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入渓点9:25ー大滝下10:02/10:15ー枝沢出合13:10ー登山道横断点ー駐車地点15:00