ブナの沢旅ブナの沢旅
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2016.02.11
笹谷峠~雁戸山(中退)
カテゴリー:雪山

2016年2月11日

 

雪山は天候や雪の状態などでコースタイムに大きな違いが出て来るため、いつもはかなり余裕をもって計画している。ところが今回はなかなか行き先がきまらず、結局はすべてが順調にいけば計画通りに行動出来るかもしれないという、なんとも不確実な山行となった。そのため予定変更にそなえたサブプランを用意して現地へ向かった。

初日に雁戸山を越えて八方平避難小屋までというかなり高いハードルの計画にも関わらず、都合により前夜発ができないため朝の山形行き新幹線に乗る。関沢の除雪終了点から歩き始めたときはすでに10時だった。好天予報のせいか、すでに駐車スペースは満車状態だ。多くは笹谷峠から山形神室側に向かったのだろう。

しっかりとしたトレースにそって歩き始め、最初の分岐で沢沿いのルートに進む。途中でこのトレースが笹谷峠ではなく八丁平へ向かっていることに気づく。雁戸山への先行者がいることがわかってちょっと安心するが、八丁平に近づくと風が強く山は雲に覆われている。

好天予報だったが、回復が遅れているようだ。このような状態ではとても雁戸山を越えることはできない。途中で早めにテントを張ることも考えたが、冬に何度もこの山域に通っていると言う地元の方に計画を話した所、今日は雪質も悪く稜線に出ると風はもっと強くなるから無理だといわれた。自分たちで最終判断をしかねていた所だったので、そのアドバイスを聞いてすぐに踏ん切りがつく。

不要な荷物をデポし、日帰モードで雁戸山へいける所までピストンすることに決めた。カケスガ峰までは樹林帯を緩やかに登っていく。ブナの二次林で、きっと昔は立派なブナ林の山だったのだろうと思う。

早くも下山してくるパーティがいたので様子を聞くとガスと強風のため前山で引き返して来たと言う。最初のポコであるカケスガ峰にでると風がさらに強まる。途中でアドバイスをしてくれた地元の方はここで引き返すというが、私たちはもう少し先まで進む。

途端にトレースが消えるが稜線はゆったりと広いので強風でも危険なことはない。しばらくするとガスが薄れ雁戸山が見えてきた。1500m足らずの山だが均整のとれた鋭峰が美しい。前山からは少し下って鞍部へ進むとすぐに「蟻の戸渡り」と呼ばれる急斜面となる。近づいて見ればそれほどではないが、視界不良で先の様子がわからない。

なかなか天候も回復せず、時間も押して来たのでここで引き返す。こんな状況なのでとくに未練もなかった。前山からカケスガ峰に戻る頃から急に雲が流れ出して青空が出始める。下山を始めると天気になるという、山ではよくあるパターンだ。真っ青な空に、山形神室や仙台神室、その奥の大東岳の山並みがとてもきれいだ。

デポした荷物を回収して笹谷峠に下る。すぐに小屋が見えてきたので立ち寄ってみる。山形工業高校の小屋が開放されていたので、使わせてもらう。冬の山小屋は有りがたいものだが夜はとても冷えたので、中でテントをはる。今回はほんとのテント泊ではないけれど、山泊りは3ヶ月ぶりのこと。しだいに頻度が減っていて寂しく感じているが、これもよる年波のせいなのだろうか。

寝る前に外にでると満点の星空だ。明日こそはきっと晴れると願掛けしてシュラフにもぐった。

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関沢駐車地点10:00−八丁平−カケスガ峰−「蟻の戸渡」直下14:00−山工高小屋16:00