ブナの沢旅ブナの沢旅
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2014.05.17
丹沢三峰
カテゴリー:ハイキング

2014年5月17日

 

連休明けに引っ越しをしてようやく一段落。なにしろ四半世紀ぶりの身辺整理だったため、予想以上に大変な作業となった。そのためとても山に行く余裕などなく、結局連休もひたすら孤独な作業に明け暮れた。

気がつけば雪山納めも沢始めも忘却の彼方〜。さすがにこれではいけないと危機感がでてきたので、一念発起して山を歩きに行くことに。大げさな言いようだが、そのくらい気持ちが離れておっくうになっていた。どこを歩こうかなあ〜と、久しぶりに丹沢三峰へ。前回は2005年だったのでほぼ10年ぶりだ!
本厚木駅から宮ヶ瀬行きのバスで三叉路で下車。長いコースなので息が上がらない程度にゆっくり登る。しばらくはとても歩きやすい道が続く。高畑山への分岐。前回はトラバース道が通行止めになっていたので山頂を経由した。広々としたいい雰囲気の山頂だったが今回はトラバース道へ。部分的に崩壊した跡がある所は修復されている。

金冷しで細尾根を乗り越す。反対側の展望がひらけ、風が通って気持ちがいい。思わず腰を下ろして休みたくなる所。前回もそうだった。新緑がきれいだ。重い腰をあげて来て良かった。たまに一人で出かけようとするといくつもの理由をあげて日和ったりおっくうになるのだけれど、いつもやっぱり来て良かったという当然のことを思う、その繰り返し。

前半はずっとトラバース道であまり標高を上げていなかったが、次第に傾斜がまして、ひたすら登りとなる。そう、本間ノ頭にでるまでがつらいのだ。ここは修行のつもりでひたすら我慢。

本間ノ頭に着いた〜。ベンチがうれしい。樹林に囲まれて展望はないけれど、涼しい風が吹いている。早くもやった〜という気分になる。(いちいち大げさなのだけど、それが正直な気持ちだった)ここまでくればこっちのもの〜。休憩して写真とって、さあこれから三峰のブナ尾根だ!っと、気持ちがはずむ。

無名ノ頭からは尾根が広がってブナの大木が美しいプロムナード。シロヤシオも予想以上に咲いている。期待していなかったのでうれしい。時々蛭ヶ岳方向の尾根をのぞむ。新緑の時期は初めて見る景色だ。美しいなあ〜。白馬尾根の馬形のカヤトが見える。三峰のアップダウンは本間ノ頭までの苦しい登りに比べればたいしたことはない。三峰のブナのアップダウンを余裕をもって楽しむ為のお膳立てだったのだろうか、なんて。

休日だというのにとても静かな尾根だ。ほとんどが樹林帯で展望がないし長いから敬遠されるのかもしれない。ブナとシロヤシオがいい雰囲気〜山桜も咲いている。丹沢山に近づくとブナの新緑がさらに初々しく、萌えたばかりの模様。1週間前だとまだ芽吹いていなかったはずだ。すこし遅いと思ったけれど、山頂付近ではいいタイミングだったかな。

丹沢山へ着いてびっくりする。これまで見たこともないほどの数のハイカー。季節の変化を感じる。ちょうど3ヶ月前の3月17日にも丹沢山に来た。前回は2m程の積雪が見違えるほどに景観を変え、すばらしい雪山歩きだった。丹沢山には誰もいなくて静まり返りトレースもなかった。わずか四半期でそれぞれの際立った美しさが感じられる日本の四季ってほんとにすばらしいなあ〜とあらためて思う。

塔ノ岳までも青空と新緑のおかげで、いつもは殺風景なブナの立ち枯れが目立つ稜線歩きもいい雰囲気だ。行き交うハイカーも多い。木々も人も春爛漫の陽気にうきうきしているように見える。私もようやく身辺が一段落して山に気持ちが向かい、やっぱり山はいいなあ〜とウキウキ。

塔ノ岳はさらに多くの人たちがくつろいでいたが、そうだろうと予想していた。素通りして淡々と大倉尾根を下る。もっと疲れると思ったけれど、新緑がきれいで疲れを忘れさせてくれた。ブナの山旅への想いをかなえるには、とにかく荷を背負って歩けることが基本だ。もっと歩かなければ、というより、もっと歩きたいと思いながら新しいシーズンに思いを馳せた。

 

三叉路7:50ー高畑山ー本間ノ頭10:40ー丹沢山12:30ー塔ノ岳13:40ー大倉15:30