ブナの沢旅ブナの沢旅
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2012.04.08
笹子沢左岸尾根~屏風岩山東尾根
カテゴリー:ハイキング

2012年4月8日

 

スキー客向けの平日限定新幹線の格安切符を手に入れたので月曜日に雪山ハイキングへ出かけることにした。不要な一日リフト券付きで、なんと横浜から6500円。日曜日の方が天気は良さそうだったけれど、安さにつられた。

ということで、とても天気のいい日曜日、どうしよう・・・翌日「本番」が控えているが、半日程度の軽いハイキングなら大丈夫!のはず。そういえば去年の今頃にいったミツマタの群生する尾根、すごかったな。ならばちょっとお花見に行ってみましょうと相成った。さくっと歩いて早めに帰れるはずだった。

ところが、あるべき時間帯のバスがない。調べたはずなのに、季節運行の印を見落としていた。直前に気付いたけれど、まあしょうがない。翌日がなければバスの時間に合わせてコースを長くしたのだが、あくまでも体力温存。ゆっくりのんびり歩くことにした。

お目当てのミツマタはというと、満開には早かった。尾根を外れて斜面を下ったり、行く必要のない屏風岩山まで行ったり(これがあとで幸運をもたらすことに・・・)して時間をつぶしたつもりでも、1時半には下山。バスの時間まであと1時間半近くもあるので、ブラブラ車道を歩き始める。ふだんはバスでさっと通り過ぎるだけだが、あらためて景色をのんびり眺めるのも悪くないと思った。

それほど退屈もせずにあしがら山荘バス停が近づいて来た。初めてお店らしい看板が見え、お汁粉やらコーヒーの文字が目に入る。ならアイスクリームもあるかなあ~と、珍しく立ち寄って見た。丹沢に行って下山後こんなして喫茶店?に入ったのは生まれて初めてのこと。店の戸を開けると、自称「ミツマタ尾根」を登ったところで休んでいた男性グループが休んでいて、あっと思う。最初に見かけたときは自分と同じに屏風岩山東尾根を下るのかなあと思ったけれど、その気配はなかった。そこで、ひょっとして・・・と虫の知らせ。

「あのぉ~どの尾根を下られたのですか~」「笹子沢の左岸尾根ですよ」

「あのぉ~落とし物したんですけど、なにか拾いませんでしたか~」

すると一人の男性が上着の胸に手を入れて何やらを取り出した。「きゃっ、それ、わたしのコンパス~うれしい~ありがとうございます~」と感激の嵐。これって白毛門の時のサングラスと同じじゃん、と呆れながら大喜び。店の主やお客さんは皆この会話を聞いていて、ほっーという感じ。話してみるものですネ-。偶然の積み重ねを感じざるを得ない出来事だった。

それがきっかけで話が弾み、その方がお仲間と丹沢のバリエーション山行を楽しんでいて「俺の山紀行」というHPを持っていることがわかった。このサイトは何度か拝見したことがあり、丹沢VRコミュニティがあることはネットを通して知っていた。

聞けば自分が笹子沢左岸から取り付いた尾根とは反対側の右岸尾根を登って周遊されたとのこと。それでナゾが解けた・・・左岸尾根の途中ではっきりとした男性の声が聞こえたのに追いついてくる気配がなく不思議だったのだ。

みんなでこういう出会いって嬉しいね~と言いあい、また丹沢のどこかで会いましょう~と彼らは店を出て行った。

そうこうしているうちにバスがやって来た。なんと2台続いている。臨時便とのこと。ならもっと前の時間にだしてよーと思いながら乗ればそれほど混んでもいなくて座れた。ところがです。次の停留所で唖然。何百人とも思えるほどの大行列なのだ。な、なんなの~。いったい何がおこったの~。そう、みなさんミツバ岳ミツマタお花見ハイキングを楽しんでこられたのでした。

笹子沢左岸尾根は途中がかなりの間ミツマタの大群生地ながら、一部の人にしか知られていないようでとても静かだ。実際であったのは下ってきた単独の男性二人だけ。二人ともすれ違いざまに、この尾根下るとどこに降りるんですか、と聞いてきた。最初から知っていて歩いているようではなかった。自分なら心配でそんなことあり得ないが・・・

というわけで、ミツマタは若干時期尚早だったけれど、興味深い方々と出会い、コンパスも救ってもらえたし、ミツマタフィーバーの一端を目撃したしと、なかなか楽しい一日だった。

みつまた1 みつまた2

みつまた3 みつまた4

みつまた5 みつまた6

あしがら山荘バス停9:10-屏風岩山東尾根12:10-大滝橋手前車道13:40