ブナの沢旅ブナの沢旅
▲トップページへ
2012.02.26
鍋割山稜
カテゴリー:ハイキング

2012年2月26日

 

2月も残すところあとわずか。悪天続きのため、このところ思うような山行ができていない。去年の2月は良すぎたためか、くらべてはため息をつく日々。なんていうと大袈裟だけれど、心にモヤモヤした気持ちがたまっていることは確かだ。

週末は諸般の事情で、ブナの沢旅山行が延期となった。先週はオオカミ本にはまって山に行かなかったけれど、今回行かないと体力維持の観点からマズイよなあー。とはいえ心は遙か彼方の山にあるためか、どうも気持ちが今ひとつ盛り上がらない。しきりにトレーニングと言い聞かせて丹沢に向った。

予報に反して小雨模様だった。もともと低いモーチベーションがさらに低下する。おまけに当日は防水ウエアでなくウィンドブレーカー。しばらく歩いてもやまないようなら引き返すことにした。

雨はすぐに雪にかわった。相変わらず気持ちは後ろ向きで、花立まで行ったら帰ろうかななんてことばかり考えながら重い足取りだった。それでもなんとか塔の山頂にタッチして、さあこれで心置きなく帰れると安堵した。

下りは気持ちに余裕がでたせいか、樹氷に覆われた木々が美しく感じられた。げんきんなもので急に心変わり。このまま下ってはあまりにも味気ない。静かな尾根をたどって鍋割山経由で下山することにした。

ガスと樹氷が見慣れた景色を一変させている。登山道から奧の斜面に目を向けるとブナの大木が手招きしているように見えた。思わず引き込まれて脇道へ。尾根の北斜面は締った根雪で歩きやすくどんどん奧へ。

あちこちの大木が大きく枝を広げ、樹氷の花を咲かせている。いままでのちょっと腐った気持ちはどこかへ吹き飛び、あちこちのブナに近づき歩き回る。しばらくは緩やかな斜面が続き、急激に沢に落ち込んでいる。道を外れては沢の源頭部のブナを愛で時がたつのを忘れる。

どうと言うことのない一般登山道でも、すこし視点をかえて道から外れるだけで、思わぬ世界が広がっているものだ。悲惨な気分の山行だったがブナに救われた。また春になったら来てみようかな。さあ、もうすぐ3月。2月の分を取り戻すくらいに春山を楽しみたい。来週こそはきっと憧れの山へ・・・

コースタイム:記録なし