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2010.07.25
葛葉川本谷
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2010年7月25日

 

連日の酷暑でバテてしまい、山に行きたい気持ちは変わらないのに体が動いてくれません。本格的な沢登りはちょっと・・・という気分だったので、かねてから懸案だったアクアステルスの沢靴を試しに、近くの短い沢に行ってきました。

すでに多くの沢やさんが使っているようですが、ぬめったところではフェルト靴よりも滑りやすいと聞いて以来、とにかくすべるのはイヤ!と、長らく選択肢にはありませんでした。スラブ系の岩では吸い付くように快適だという声も良く聞くようになったものの、でも滑ったところでは滑りやすいんでしょ!と、やはり敬遠のスタンスは変わらず。

ところがあるとき、山の店に行ったらアクアステルスの旧モデルがうんと安くなっていたので衝動的に購入。それでもしばらくは眠らせたままでいました。いきなり使うのは心配だけど、いつか試してみないといつまでたっても使う機会がない・・・すでに愛用している人から見れば、こんなことで逡巡しているなんて大げさなと、思われるでしょう。

ということで、ようやくお試し沢登りとなったのでした。葛葉川本谷は行程も短く、登れる滝がたくさんあって初心者に人気の沢。2年前にも一人で遡行しているので安心感があります。念のためと、フェルト靴も予備で持参しました。

今回は目的が限定されているので、できるだけ楽をしようと秦野駅からタクシーを利用。真夏の日曜日だというのに、入渓点の葛葉の泉はあっけないほど静かでした。沢装備をつけ、真新しい沢靴を履いていざ出発。

水量は、夏はこれくらいの方が楽しいという程度に多めの印象。最初はおそるおそる・・・というまでも無く、いたって普通の感覚で歩きだす。当たり前ですよね。最初の小滝で、あえて細かく立ちこんでみてもノープロブレム。なんだ、ぜんぜん大丈夫じゃんと、しだいに足元を意識することなく遡行するようになります。懸案のF1直瀑5m は前回一人で巻いたところ。2年前と同じでは進歩がないと思いトライしてみましたが、立ちこんでから次の一歩が踏み出せず、諦めて巻きました。(課題1)もう少し水量が少なければ突っ張りでいけたかも・・・と負け惜しみ。

この後は次々と登れる滝があらわれ、極めて楽しく快適。まったくすべらないどころかグリップ感が良くて、より足裏の感触がわかります。しだいに調子にのって大胆になってきました。だって滑らないんだモン。一番悪いといわれている板立ノ滝は右壁を上りますが、上部の一手が難しく、またしても残置に足を載せて乗り越えました。(課題2)

林道から上部もミニゴルジュやナメ滝がつづき、すべて水中を楽しく進んで行きました。あっという間に富士形ノ滝へ。中央の水流沿いを登れるかなあ~と観察しますが、けっこう細かい。いくらアクアステルスが滑らないとはいえ、さすがに一人では自信がなく右から登りました。(課題3)最後の6mナメ滝は、フェルト靴だったらガイド通り右から越えたかもしれませんが、最後だと思って水流の中を登りました。フリクションがいいですねぇ。

すぐに源頭部の雰囲気となり、赤テープとわらじの二俣へ。上に行くほど曇り空となり、遠くで空がゴロゴロ鳴っています。靴を履き替え、沢よりつらい急登の小尾根を汗タラタラで登って登山道にでました。時間もあるので今回は三ノ塔まで行くつもりでしたが、完全にガスで隠れています。展望がないのでは仕方ないと、いい口実ができたことを内心喜び、三ノ塔尾根をさっさと大倉へ下りました。

初めてのアクアステルスはなかなか快適で、なんだか滝登りの腕が上達したような錯覚さえ覚えたほどでした。なんだ、毛嫌いせずもっと早くに試してみればよかった。基本的には行く沢によって使い分ければいいのでしょうが、沢の性格は白黒つけられるほど単純ではありません。早いうちに、今度はぬめったナメ沢での滑り具合も試してみなくっちゃ。

kuzuha1 葛葉川1

葛葉川2 葛葉川4

葛葉の泉(入渓)8:20-林道横断9:18-二俣(遡行終了点)10:30/10:53-登山道11:15-大倉12:46