ブナの沢旅ブナの沢旅
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2009.11.21
焼山登山口~蛭ケ岳~大倉
カテゴリー:ハイキング

2009年11月21日

 

今週も山には行けないはずだったのですが、仕事の予定が1日ずれたため急遽ドコカに行きたくなりました。とはいえあまり選択肢はないので、雪山に備えたトレーニングをかねて手ごろな丹沢のロングコースを歩くことにしました。

天気も土曜日までは晴れマークです。去年初めてトライしたときは不安だったのですが、経験済みのコースです。気持ちに余裕を持って楽しみながら歩くことができました。

今回は橋本からバスを乗り継いで焼山登山口から出発。三ケ木から乗り継いだ朝夕2便しかないバスには登山者が何人か乗ってきたので、同じコースかと思い少し安心したのですが、バス停で下りたのは二人だけ。それももう一人の青年は違う方向へ行ってしまいました。

ちょっと心細いなあと思いながらいざ出発です。しばらく薄暗い山道をトボトボあるいているとバスの青年がやってきました。

「あれ、どこから来たの」「同じコースですよ」

「だって、バスから降りたのに神社の方に行ってしまったでしょ・・・」「トイレに行ったんですよ~」

自分でもおかしいのですが、誰かが近くにいると思うと急にホッとしてうれしく、「トイレに行くなら最初からそういってくれればいいのにー」なんて見知らぬ青年に心の中で文句を言ってしまいました。静かな山歩きが好きで単独山行に憧れているくせに、相変わらず一人だと心細さが消えません。

尾根に出ると紅葉の名残も見られ、朝日に輝いていました。道はとても歩きやすく快適で、ペースも上々です。黍殻避難小屋を過ぎた辺りからは道が平坦になり散策気分で歩いていくと先が明るくなり、白いものが見えてきました。富士山でした。

とても大きな白い姿が突然のように眼前にあらわれ感激。思わず一人ごとのように声をあげ、走り出してしまいました。晴れた日に丹沢の山に行けばどこからでも見えるのですが、この日の演出は最高でした。

一足先に到着していた青年に、感激の気持ちを言い表さずにはいられません。やはり山での感動は誰かと分かち合いたいのですね。青年はその後休憩地点ごとに話を交わし、なんだか心の同行者のようでした。見知らぬ人ですが、ありがとうといいたい気分です。

思い出の原小屋平付近を通り、どうしてこの道を見逃したのか不思議でした。落ち葉が積もったばかりで踏み跡が付いていなかったとはいえ、時間が押している、ガスってきたなどと冷静さを欠いてしまったのでしょう。などと余裕の観察をしながら歩いているうちに尾根が広がった地蔵平で道がわかりにくくなり、登山道からそれてしまいました。

あとで地図で確認したところ、登山道が東に向かうところをそのまま南方向に登ってしまったようでした。鹿の親子の棲家に入り込み驚かせてしまいました。

地蔵尾根の古い標識があるところでまずいと思い軌道修正。少し小尾根を下ったところに道が通っていてホッとしました。油断して25000分の1の地図は持って行かなかったのですが、反省材料となりました。

11時40分に到着した蛭ケ岳山頂には、すでに10人以上の登山者が休んでいました。12時目標だったので余裕の行動です。ここから見える富士山も雄大で展望も素晴らしいけれど、姫次で感激を使い果たしてしまいました。

空は抜けるような青空です。のんびり休んで丹沢山へ向かいます。逆ルートの去年はこの間ガスがでて展望がなかったので、写真をとったり山並みを確認したりと、じっくり気持ちのいい稜線漫歩を楽しみました。

丹沢山では木道作りの作業が行われていました。以前から登山道が崩れつつあることは感じていたのですが、最近本格的な作業が行われたようでした。加えて、7月20日に丹沢三峰を歩いた時にはなかった植生保護の金網が登山道の両側に設置され、日高近くまで続いていました。

趣旨はわかりますし鹿の食害が深刻であることも理解しているつもりですが、山歩きを楽しむという点からは興がそがれる感がありました。ブナの立ち枯れや山崩れも行くたびに悪化しています。

いつの間にあたりはガスで覆われ、青空も消えてしまいました。少し悲しい気持ちになりながら塔ノ岳につくと急に雰囲気が変わり、登山者で大賑わいです。最後の休憩をしてトレーニングと割り切った苦手な大倉尾根へ。

蛭ケ岳から丹沢山までは大方の登山者に追い抜かれたのでしたが、大倉尾根はいろいろな人が歩いているのでわき目も振らず3、40人は追い抜いたでしょうか。行動時間は休憩込みでちょうど9時間。出発間際のバスに飛び乗り、今度は日の長い時期に檜洞から西丹沢までのコースにチャレンジしてみようと思いながら帰路につきました。

丹沢主脈1 丹沢主脈2

丹沢主脈3 丹沢主脈4

焼山登山口7:20-姫次10:10/25-蛭ケ岳11:40/55-丹沢山13:20/30-塔ノ岳14:20-大倉16:16