ブナの沢旅ブナの沢旅
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2017.01.26
鹿俣山
カテゴリー:雪山

2017年1月26日

 

以前から雪山にスキーバスを利用してみたいと思っていたのだが、ようやく実現させた。日帰りで手軽にシューハイキングを楽しもうと、比較的近くてブナの森がいい玉原の鹿俣山を選んだ。最初に行ったのは2011年の正月明けで、天気はあまり良くなかったけれど、ブナ林は幻想的な雰囲気で美しかったという印象が残っていたのだ。

できれば横浜発のバスをとりたかったけれど、決めたのがいつもながらの直前だったため満席だった。ちょっとためらったが東京駅発を使ってみることにした。出発直前の在庫一掃セールということで、1日リフト券付きでなんと3900円という安さ。現地に行ってわかったのだが、リフト券単体よりも安く、どういう利益配分になってるのだろうと思う。

平日なので渋滞もなく順調に進んだが、チェーン装着のため予定より遅れるとのアナウンス。えっ、スキー場行きのバスなのだからそれって予定到着時刻に織り込み済みではないの?と思う。帰路も同様で、スムーズな走行ながらチェーンを外すために20分遅れ。初めからそう伝えれば納得するのにと、最初からクレームっぽくなってしまったけれど、安さと便利さが勝るので、まあご愛嬌ということで・・・

玉原スキー場の積雪は2m80cmとかなりの積雪だが、予想以上に雪は締まっていた。11時から歩き始める。ペンション村を通過して適当なところで雪原に入り、緩やかに伸びる尾根に乗る。ラッセルは膝下程度なので、軽すぎず重すぎずでちょうど良いあんばい。真っ白で手つかずの雪面を気持ちよく踏んでいく。

笹やぶや低潅木が完全に隠れていることからも雪の深さがわかる。早朝から歩けば霧氷が見られたのになあと思うが、あれもこれもの注文は欲張りすぎ。しばらくはほとんど標高を上げず、太いブナが林立する雪原台地が続く。

1400mを過ぎたあたりから標高を上げ始め、ところどころの急斜面は結構苦労するが、歩みの単調さが続いたためようやく雪山らしくなったと喜ぶ。一箇所小粒ながら急斜面のポコをやり過ごす。帰りにここを登り返すのは嫌なので、スキー場から巻いてしまおうと思う。

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山頂から西に伸びる尾根に乗るところはかなり雪庇が張り出している。雪庇のない鞍部を目指して最後の急登となる。ダケカンバにはまだ霧氷の花が残っていた。青空に映えてとても美しい景観だ。

尾根に乗り上げるとスキー場方面からのトレースがあった。なんだ、がっかり、などと口では言いつつおかげで時間の余裕ができた。一気に展望も広がり、振り返れば谷川連峰、行く手には武尊山剣ヶ峰が凛々しい。1月初旬に白毛門から眺めた武尊連峰はそれほど真っ白には見えなかったけれど、あれからどっさり降った。谷川岳の岸壁も真っ白だ。

山頂標識は雪に埋もれていた。もう一つ木につけられた手描きのプレートはさすがに出ていたけれど、前回登った時よりも雪面は数十センチ以上高い位置にある。獅子ヶ鼻方面もそそられるが、今回はここまでが精一杯。一番高いところを整地して腰を下ろし、暖かいコーヒーとパンで一休みする。リフトを使えば山頂へも簡単に来ることができるけれど、ブナの森を歩かないで山頂だけに到達しても面白くない。

帰路は少しコースを変えてみる。スキー場の脇からポコを巻き終わったあたりで再び森に入る。玉原のブナは関東随一と言われているが、それは関東よりの割に降雪量が多いことと関係しているのだろう。午後の残照で行きとは雰囲気が違うブナ林を気持ち良く滑り降りていく。斜面が急なほどシューの下りは気持ちがいいものだ。

途中からは行きのトレースに合流し、スキー場に戻った。時間はちょうど4時半。バスの出発が4時50分なので、でき過ぎなくらいぴったりの時間配分となった。スキーバスを使ったなかなか手軽で楽しいシューハイキング、またトライしてみようかな。

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玉原スキー場11:00ー鹿俣山14:30/14:45ー玉原スキー場16:30