ブナの沢旅ブナの沢旅
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2014.08.13
小菅川本谷
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2014年8月13日

 

予定していた泊まりの沢を天候不順で日程、行き先とも変更した。同行のkukenさんは私の軟弱な対応にあわせてくれたのだけれど、きっと物足りないだろうなあと思い、急遽予定のなかった13日に埋め合わせの追加提案をした。なにしろ前日のことなので当日朝発の短い沢を相談し、小菅川本谷に決めた。

6月の沢始めのときにも候補に挙げたのだが、kukenさんは5月に途中まで残雪豊富なこの沢を歩いていたこともあって、あのときは日陰名栗沢へ。今回ひょんなことから復活して実現した。

普通に考えれば待ち合わせは奥多摩駅なのだが、到着時間が同じならば乗り換えが少なく特急が使える飯能駅が最近のチョイスとなっている。アクセスもおまかせ気分で気が楽だ。

難しい所はなく、巻き道もしっかりしているらしいので、楽しい沢ハイキングになりそうだ。道中はガスが立ちこめていたが、小菅から林道へ入る頃にはガスも晴れ陽が射してきた。今日から待ちに待った夏休みのkukenさんもルンルン気分の様子。

林道終点から沢に下る踏み跡をたどる。一つ目の堰堤を越えた所で沢に下りて遡行開始。もう一つの堰堤を左から越える。しばらくはゴーロの川原歩きだが天気もよく樹林の明るい緑がいまだ初々しく気持ちがいい。

途中に立派な石積みのわさび田跡を通過する。両岸が開けているのでどこでも歩ける。小一時間ほど歩くとようやく小滝があらわれ、その後は次々と登れる滝が続いて楽しくなる。ちょっと厄介そうな滝にはかならず明瞭な巻道があり楽に越えられる。

水量が多めなのかナメと苔のコントラストがとても美しい。それほどの期待もなかったが、予想以上にきれいな沢だ。途中一ヶ所今年の大雪の影響と思われる倒木帯があったが、それ以外は荒れた所もない。一度残雪の豊富な下部を遡行しているkukenさんは内心、どうして私がこんな沢に行きたがるのか不思議だったようだが、ようやく納得したようだ。

中盤で豪快な12m滝があらわれる。ずっとナメと小滝の穏やかな渓相だったので意表をつかれた感じだ。左岸から小さく巻き、上部はトラロープにつかまって手がかりのないスラブを登る。

ふたたびゴーロをやり過ごすと傾斜の緩い美しいナメ滝があらわれる。まだナメが続くのかとうれしくなる。もう充分楽しんだと思う頃に苔と樹林の美しい渓相が一変しガレ山が広がる。

最初は大菩薩峠の稜線まで詰める可能性も考えたが、雲行きも怪しくなり山の上はガスがかかっていたので1680m地点の林道が横断する所で遡行を終えることにした。

二人で思ったよりもうんときれいな沢だったことに満足し、ゆったりとした気分で沢装備をとく。kukenさんは私の山スカートに触発され、新しく手に入れた短パンを持参。履いてすぐに風通しのいい気持ち良さに大満足の様子だ。

下山路の登山道はとても歩きやすく快適な道。古くから小菅村と山梨側を結ぶ交易路として活用されてきたことがうなづける。ニワタシバという地名もそんな歴史を連想させ興味をそそられる。分岐から林道に下る道に入ると、斜面には広く根を張ったシロブナが目立つようになる。樹肌が真っ白でほんとにきれい。

降り立った所は林道終点の少し手前、日向沢大菩薩登山口の標識が立っていた。とてもコンパクトで悪い所がなく楽しめた。穏やかで濡れることもないので、季節を変えてまた来てもいいかなという気になる沢だった。(kuken、ako)

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林道車止9:30ー第一堰堤上入渓9:40−1680m林道横断点13:35/14:05ー林道車止16:30