ブナの沢旅ブナの沢旅
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2014.01.12
尼ヶ禿山〜玉原湿原〜ブナ平
カテゴリー:雪山

2014年1月12日

 

玉原の霧氷のブナ林を歩く、というのはかねてからのテーマなのだが、これまでなかなか機会がなかった。スキー場があるのでどんな天候のときでも行けるのだが、どうも雪山の対象になりにくい。3年前は獅子ヶ鼻越えのプロジェクトに参加し、準備をかねて鹿俣山や剣ヶ峰に登った。それに比べれば、尼ヶ禿やブナ平はわざわざ行くというより、アプローチにすぎない。 今回は天気予報もあまりよくないし、パートナーのkukenさんは昨シーズン雪山に行けなかったので足慣らしに丁度いいかもしれないと提案した。以前5月中旬にハイキングで同じコースを歩き、新緑のブナの美しさに強く印象付けられたことが忘れられなかったのだ。

当日の朝、沼田駅でピックアップしてもらい玉原スキー場へ。土日は有料となる駐車場にはすでに多くの車が止まっていた。うれしいことに天候はこの上なく快晴で、雪の降るブナ林を歩きたかったのになんて、余裕の軽口がでる。

スキー場からは武尊の山並みが真っ白に聳えてそそられる。比べると尼ヶ禿はどうということのない小山にしかみえない。あっちに行きたくなるなどと言いながら出発する。駐車場奥の樹林を抜けて林道にでるとトレースはなくなった。まっさらの雪原と真っ青な空。スネ程度の軽いラッセルをしながら進む。玉原湖が太陽の光を反射して煌めいている。

尼ヶ禿山とブナ平の分岐の標識から林道を離れて樹林帯にはいると所々赤テープがある。明瞭な尾根に乗るあたりからブナ林となる。トレースがない森を歩けるのがうれしい。東大のセミナーハウスを左下に見たあたりで人の声が聞こえ2人パーティが合流する。一人は自然保護指導員の腕章を付けており、この界隈を周知している口ぶりだ。その後彼らとは相前後しながら進む。

気持ちのいい雪尾根を登り、鉄塔をくぐって行くと武尊山の山並みを見渡す展望地となる。ここで指導員さん曰く。ほら、剣ヶ峰が寝半像に見えるでしょ。そういわれてみれば、尖った峰が鼻で大岸壁が顎。武尊山を後輪飾とした仏様が横たわって長い衣を引いている様に見える。獅子ヶ鼻の名称もそうだけれど、武尊山全体が昔から信仰の山であったというのは、こういう山容とも関係あるのかなあと興味深い。

それよりもなによりも、ブナが白い霧氷の花を咲かせている。出発時間が遅かったので見られないかと思っていたが、間に合ってよかった。満開とはいかないが青空に映えてとても美しい。みんなできれい、きれいを連発しながら山頂へ。

無雪期は樹林のために展望が中途半端だったが、今の時期は360度の見晴らしが予想以上にすばらしい。谷川も尾瀬の山も天気がよくてよく見える。矢木沢ダムの奥利根湖が青々と近く、その奥には下津川山から巻機山へ続く奥利根の山々が真っ白な壁のように並んでいる。尾瀬の山並みの奥に頭を見せているのは平ヶ岳だろうか。東方向では皇海山が顕著な山容で聳えているが、黒々としている。ここからの展望は、200m近くも標高の高い鹿俣山をはるかにしのぐ。

この間も指導員さんが解説をつづけ、さらにハイカーの心構えまで説く。獅子ヶ鼻の先は切れ落ちて行けない言ったところでさりげなく、私たち3年前に獅子ヶ鼻を越えたんですよーと言うと、きょとんとしてどうやって?と聞く。懸垂下降したといったけれど余り通じなかったようで、解説が続く。

これからブナ平へ行くというと心配そうに、時間がかかる、別の機会にした方がいい、みんな玉原をなめていて遭難騒ぎがあるのだと言う。大丈夫だというと、じゃあ下まで案内してあげようと親切に申し出てくれたので一緒に下ることになった。実際、ブナ平へのコースをどうしようかと思っていた所だった。

以前は長沢尾根をたどったが時間がかかりそうだ。湿原を横断して対岸の尾根に乗ることにした。思考停止でついていったところ湿原とりつきから離れた枝尾根に下った。どうも途中のクマ棚を見せたかったらしい。ここでお礼をいって彼らと別れるが、昼間の林道ラッセルは雪が重い。登った尾根を下ればよかったと、人任せにしたことをぼやきながら湿原の入り口へ。

地形が漠然としているので読図をしながら湿原に下る。まっさらな雪原となった湿原を気持ちよく横断すると、前日のものらしいトレースがあらわれる。向かおうとする尾根方向に伸びているので、ブナ平に続いているかもしれないとトレースを追う。尾根を回り込んで谷筋側をトラバースしながらブナ平に登る。おそらくこのトレースがなかったら相当時間がかかっていただろう。助かりました。

広い尾根に乗るとブナの大木が点在するようになるが、トレースはブナ地蔵があるブナ平の中心には行かずに緩やかにトラバースしながら下っている。一番いい所はかすめていくことになるけれど、今回はこれくらいで充分だと思う。霧氷の花が咲いていればもっと綺麗なのになあと少し未練がましいのではあるけれど・・・。

下り始めればあっという間に朝通った林道に降り立つ。3時には駐車場にもどり、時間もそれほどかからずにすんだ。今回は天候に恵まれたこともあり、湿原からブナ平へ足をのばすことができたおかげで充実したシューハイキングとなった。そして親切にいろいろなことを教えてくれた指導員さん、ありがとうございました。

 

駐車場9:00-センターハウス9:30-尼ヶ禿山11:45/12:00-林道12:45-玉原湿原13:15-ブナ平14:10-駐車場15:00