ブナの沢旅ブナの沢旅
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2013.03.12
黒姫山
カテゴリー:雪山

2013年3月12日

 

この日は友人と北八ヶ岳の山を歩く予定だったが、直前でキャンセルになった。天気予報は本州を高気圧が覆い全国的に晴れだという。急遽呼びかけ、双方の都合がよくブナのある雪山を探した。信州トレイルという案もあったが、現地に問い合わせると、新潟寄りの山は積雪7-8メートルあり奨められないという。4月まで待つ必要がありそうだ。それで、厳冬期でも歩かれている妙高・戸隠方面に目が向いた。日帰りで、ブナがあり、楽過ぎないといった条件で、黒姫山を選んだ。

7時には歩き始めたいと、暗いうちから高速を飛ばす。北に向かっていた上信越自動車道が北から大きく西向きに変わり、いくつかトンネルを抜けると、目の前に黒姫と妙高がどーんとあらわれびっくりする。予定通り7時前には登山口である大橋林道入り口の駐車場に着いた。平日にもかかわらずすでに3台駐車しており、さすが200名山と思ったが、途中出会ったのは一人だけだった。

1時間近く林道歩きがあるが、植林された落葉松は密度が薄く、すきまから青空と真っ白な高妻山や黒姫山が見え退屈しない。快晴だ。北に向かっていた林道が東に向きを変えた標高1300mあたりで林道を離れ、「登山道」と書かれた看板にしたがい緩やかな傾斜の尾根を登っていく。しばらく落葉松林が続くが、そのうちに白樺やブナが増えていく。白樺というと白い木肌の端正な姿を思うが、ここの白樺は太い古木が多く珍しい。

登山道に入り20分ほど、古池を巡ってくるもう一本の登山道と合流する新道分岐というところに着くはずだが、そちらからのトレースは全くなく、冬はあまり使われていないようだ。

このあたりから、ブナが優勢になってくる。2次林が中心かとあまり期待はしていなかったが、かなりの太い古木がたくさん出てきて、予想外の喜びに足が止まる。振り返ると戸隠、飯綱山やふもとの牧場が見えてくる。飯綱はもう10年以上前に、一人でスキーを担ぎ登ろうとして途中でギブアップした思い出がある。

けっこうな急登に変わり、外輪山の尾根に乗ると、さらに展望が開け、北に妙高・火打、南の戸隠後方にははるか槍ヶ岳や乗鞍が見える。北信の山は一つ一つが独立して大きいという印象だ。外輪山の尾根はやや細いが、危険なところはない。山頂は意外に遠く、いったん大きく下った後、さらに80メートルほど登ったところにある。先行者が1名いたが、風もほとんどなく静かな山頂だ。カップ麺で昼食とした。

雪が締まっており、トレースも豊富で、ほぼ夏道のコースタイムで山頂へ。下りはスピードアップして2時間足らずで駐車場に着いた。突然の空白の一日、今年一番の快晴に恵まれ、思った以上のブナの山旅となった。

 

 

 

大橋林道入り口駐車場7:00-新道分岐8:30-黒姫山頂10:55/11:35-大橋林道入り口駐車場14:00

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