ブナの沢旅ブナの沢旅
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2012.09.10
美ヶ原 焼山沢
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2012年9月10日

 

一週間、家人が親の介護の関係で実家に帰り、一人になった。その機会に一人でも楽しめる手ごろな沢はどこだろう。近いのは八ヶ岳だが、二日後に次の計画があり、その足慣らしなので本番に支障が出てはいけない。うーん。それで思い出したのが、美ヶ原に焼山沢という沢があるというakoさんの言葉だった。調べてみたが、沢沿いの登山道を歩いた記録ばかりで、沢を遡行した記録が見当たらない。

登山道が並行していること、焼山滝という大滝は写真で見る限り登れそう、そして短いということで行ってみることにした。めったにない一人沢!

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前の晩に調べてはいたのだが、天気予報は終日曇り。紅葉の時期にするかと目覚ましもかけずに寝てしまった。7時、起きてみるとなんと快晴、蓼科山も車山も雲がない。天気予報も午前中は晴れ。行くか―、と決めてあわてて準備し、家を出たのが8時半、焼山沢登山口に10時というのんびりスタートとなった。

美ヶ原には西の松本から、または南の霧ヶ峰側から入るのが一般的であり、ビーナスラインが山頂近くまで通じているため登山のイメージがないが、北側の焼山沢ルートは原生林の中を静かな山旅ができるということで一部の山好きに愛されているようだ。登山口には上田市が立てた大きな看板と絵地図によるコース案内があり、登山道が整備されていることを窺わせる。10年前の昭文社の地図では、小県郡武石村とあるが、町村合併で上田市になったようだ。

登山道はすぐに林道と合流し、しばらく車も十分通れる林道歩きとなる。15分ほど歩くと林道は沢を丸木橋で横切るので、そこから沢に入った(1250m)。初めは平凡なゴーロで滝もないが、サワグルミやヒノキの原生林は気持ちがいい。そのうち小滝があらわれ始め、沢らしくなってきたが、1400mあたりから突然沢が涸れてしまった。

本当にこの先に大滝があるのだろうかと不安になるが、ありました。2段の滝と、その左岸には枝沢から落ちるすだれ状の滝。なかなか見ごたえがある。2段目はわからないが、1段目は登れそうなので、水流の左寄りを少しシャワーを受けながら手足を確かめ慎重に登り、クリア。登山客が歩いていたら拍手だなあなどとつまらないことを考えながら2段目へ。

2段目は下から見たより広い滝で、直登は難しそうだったので小さく右岸を巻き、落ち口の少し下から水流に入りクリア。これで大きな滝は終わりかと思ったら、なんとさらに2段の数メートルの滝が続き、4段をすべてクリアした時には思いがけぬ満足感を味わうことができた。

しかも、これで終わりではなく、その先にもナメ状の滝、くの字状の滝があらわれ、ようやくゴーロの沢に戻った。しばらく行くと再び沢は涸沢となり、登山道から離れていく。1720mあたりまで来て、もうこれ以上進んでも滝はないであろうし、沢を詰めても美ヶ原の牧場に出てしまうので引き返すことにした。

持参した握り飯を食べ、沢を少し下ると、登山道が沢を横切っているところに出た。遡行しているときには気付かなかったのが不思議なくらい明瞭な登山道で、そこからは登山道を戻ることに。しばらく沢と並行したあと、連続する滝の部分では大高巻をするためせっかくの滝の上部が見えない。焼山滝の少し下には、樹齢400年の「トガの親木」(トガとはこの地方の方言で「イチイ」のこと)があるというので立ち寄り、登山口に戻った。

焼山沢は、思いがけぬ登れる滝の連続で楽しめた。登山道がかなりの部分で沢のすぐ横を通っているので、登山客が歩いていると、お互いに違和感があると思うが、この日は幸い誰とも会うことがなかったので、登山道を意識しないで遡行することができた。(sugi)

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焼山登山口10:00-林道丸木橋入渓10:20/10:30-焼山の滝下11:35-遡行終了1700m地点13:00-登山口14:30