ブナの沢旅ブナの沢旅
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2012.08.11
湯檜曽川東黒沢白毛門沢
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2012年8月11日

 

今週末は甲子の沢を予定していたが、どうも天気が怪しい。というか、雨マークが出ている。中止かなあ~、なら天気のいいうちにどこかに行ってこようかなと思案。先月に東黒沢を駅前敗退しているので、もう少しモーチベーションを高めて白毛門沢はどうだろう。

などと優柔不断にあれこれ思いを巡らしていると山トモからメールが飛び込んできた。これまで準備を重ねてきた岩の本チャンが相手の事情で中止になり、ガックリしたので沢予定がないかとの打診。

これ以上説明するまでもなく、お互いに渡りに船とばかりあっという間に白毛門沢が決まった。唯一の懸念は下山時間。電車で行くために遡行をはじめるのは9時過ぎとなるが水上行の最終バスは5時なので、間に合うだろうか。けれど土合駅で時刻表を確認したところ6時台に電車があることがわかり、急に気が軽くなった。

今年初めての谷川の沢。やっぱり開放感があって気持ちがいい。白毛門沢にはいるとやや荒れた感じ。う~ん、東黒沢の方がきれいだななんて思ってしまう。中盤からは大きな滝が続き、俄然楽しくなる。岩やさんと一緒なので、ルートもこれまでよりはチャレンジング。タラタラのセンも、まさか直登するつもり?と言いたくなるような、滝の横のルンゼをきわどく巻いた。

一連の核心部を終え、最後の二俣で安堵の大休憩(というか井戸端会議風のおしゃべりに展開)。水涸れしてから山頂までが長かった。やっとの事でついた山頂から朝日岳の方向に目を向けると山が遠くて大きい。夏にナルミズ沢一人旅をちらりと考えていたけれど、沢を詰めてからの縦走に耐えられそうにない。こりゃ、だめだ、と思う。

下山もゆっくりで当然バスに間に合わなかったが、その差わずか10分。あの二俣でのおしゃべりを10分早く切り上げれば・・・でも、いいのだ。電車を待つ間、駅の待合室で単独女性と話がはずみ、中年女性三人にぎやかに時間が過ぎた。

上越線はお盆休みで混んでいた。大きなザックを持った華奢な体つきの青年が座るボックス席に二人で席を陣取るや、青年の「受難」が始まった。なにしろハイテンションのおばさん二人。さっそく若者に矢継ぎ早の質問攻め。

どこ行って来たの、えっ剣の縦走?どうまわったの?
(この間剣を知らない私には意味不明)
富山から新潟まわってこの電車?まあ、たいへん~
三泊四日でこのザック、大きすぎない?
いったい何が入ってるの~(若者はぽつりぽつりと列挙)。
どれどれ(と、ザックを持ち上げ)たいしたことないわ(と、お姉さん)。私もどれどれ、うっ、やっぱり重い!
でも、初めての縦走でこれだけ荷物しょってえらいわねぇ。
まあ、(慣れれば)ザックもそのうち小さくなっていくわよ。
(持っていた本を見て)そんな重たい本はダメよ~、せめて文庫本にしなきゃ。
学生さん?ワンゲルとか?
お母さん、きっと私たちより若いわよね~
ところでおいくつ?
えっ50歳。ギャハハ、私たちよりxx若いわ~、ギャハハ。
若者はどう対応していいのかわからず、か弱い声で、「でも、同じく見えます・・・」

さすがに迷惑かなと自覚し、最後に夏は沢登りが一番よ~。縦走なんて暑くてやってられないわよ~と捨て台詞を吐き、若者を解放した。

あとで正気に返り、あの20才そこそこのヤセッポチの若者が気の毒になった。とんだ災難を振りかけてゴメンね。これほどに暑い夏の谷川の沢は、人を狂わせるほど魅力的なのであった。えっ、話がつながらない?かもね。(chie、ako)

 

 

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