ブナの沢旅ブナの沢旅
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2011.12.25
大室指~大室山~茅ノ尾根
カテゴリー:ハイキング

2011年12月25日

 

船形山の余韻も残る少しあわただしい日程となったが、年内に果たしたい山行だった。ブナの沢旅は表だって新しい仲間を募ってはいないが、連絡先を掲載してどのようなコンタクトにも対応できるようにしてある

そうしたところ丹沢山行の際にはと、同行を申し出てくれた人がいた。うれしく思い、機会ができたら計画すると返事をした。けれど秋の沢旅シーズンと重なったためしばらく間があいてしまった。約束を来年に持ち越したくなかったので、急遽連絡をして日程をすりあわせ、くしくもクリスマス山行として実現させた。

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まだ暗い当日の朝、相鉄線の瀬谷駅近くでピックアップしてもらい、初顔合わせの挨拶。気を遣うと疲れるので最初からざっくばらんにいこうと、おばさん的好奇心も交えて話を弾ませる。

下山地点の久保小入口から500mほど先のトンネル手前の空き地に車を止め、車道を歩いて登山口の大室指へ向う。大室沢沿いの登山道の取り付きがわかりにくいらしいので、記録をもとに分岐を確認しながら進んだが、要所要所にはテープもあり、道も明瞭で心配するほどではなかった。

大室沢を右手に見ながら植林帯の山道を登って行くと、沢沿いにワサビ田の跡が続いていた。奥多摩の沢ではよく見かけるが、丹沢でワサビ田跡を見たのは初めてで興味深い。水涸れした沢を渡ると道は沢から離れ、急斜面の植林帯をジグザグに登る。

ようやく植林帯を抜けると古い木の標識があらわれる。あたりは自然林となって明るくなるが北面なので日が当たらずとても寒い。振返ると対岸の山並みは燦々と日を浴びており恨めしい。葉を落とした樹林越しに大室山が見えはじめ、前方に雨乞石が立ちはだかる。ザックをおいて大岩に登ると見晴らしがいい。富士山も見えたが山頂は雲に覆われていた。

一休みして先へ進むとしだいに尾根が広がり、大木が点在するブナ林となる。何日も前に降った雪がうっすらと残っている。落ち葉で覆われた尾根はどこでも歩けるので、各人が目についた大木に近寄って眺めたり写真をとったりと、しばし自由行動。丹沢のブナは黒っぽい苔で覆われているため、日が射さないととても暗く見える。淡い期待を抱いてきた霧氷のブナは残念ながら見られなかった。

寄り道しながら登って行くといつの間にか、よく踏まれた雪の踏み跡に合流した。茅ノ尾根を歩く人の方が多いようだ。山頂に近づくにつれどっしりとした大木が目立つようになる。2009年1月に犬越路から大室山に登ったとき、北面のブナ林に関心があって少し下ってうろついたあたりだ。あの時は相当雪が積もっていてツボ足のため3、40㎝ももぐった記憶がある。疎林の緩やかな斜面なので、スキーで滑ったという記録もあった。babaさんも以前に目をとめたブナの大木を探している。

そうこうしているうちに標識があらわれ、あっけなく山頂へ。4人パーティの先客に写真を頼まれたkazikaさんは大サービスのアングルで応じていた。二人の写真も撮りましょうかと言われたので断ると、あら、訳ありだったりして、などとおっしゃる。

南面なので日が当たり、急に雰囲気がかわってぽかぽかの日溜まりハイキング。山頂のベンチは倒壊していたので少し尾根をくだって大室山西ノ肩のベンチで昼食を取ることにした。尾根のブナは太くて背が低く、海側から吹き上げる風にさらされ踏ん張っているように見える。

kazikaさんが登山道から少しそれた斜面を下って行くのでついていくと、そこは絶景ポイントとも言えるような所だった。澄み渡った冬空のおかげで丹沢湖がよく見えて驚いた。相模湾の先には大島もくっきり見える。幾重にも重なる西丹沢の山並みを一つずつ目で追う。登山道からほんの少し外れただけで見える世界がこんなに違うのものかと感心することしきりだった。

ここは風の通り道なのか寒いので、やはり大室山にもどることに。ラーメンと食後のお汁粉であたたまり、さあ茅ノ尾根を下りましょうか。尾根が広がっているのでテープや踏み跡がないと迷いそうな所だ。登りと同じようなブナ林が続くので往路を戻っているような錯覚にとらわれるが、いつのまにか尾根が分れていた。

茅ノ尾根の方が、大室指からのコースよりも登山道が明瞭で、真新しい道標も立てられている。植林帯の急斜面を下るときれいなカラマツ林となる。自然林と植林帯が交互にあらわれる登山道を淡々と下っていく。久保と大渡の分岐が要注意だと思っていたが、真新しい道標が設置されていた。最後は吊橋を渡り、車道を歩いて駐車地点へもどった。

大室山1 大室山2

大室山3 大室山4

大室指8:00~雨乞岩10:20/10:30~大室山11:17/12:30~久保バス停14:30