ブナの沢旅ブナの沢旅
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2010.09.03
湯桧曽川東黒沢~宝川ウツボギ沢左俣
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2010年9月3日

 

長かった夏休みもそろそろ終わりとなったので、締めくくりのクールダウン山行と称して「癒し系」のきれいな沢をつないだ沢ハイキングを楽しんできた。

東黒沢は3年前の夏に初めて訪れ、美しく穏やかな渓相がいつまでも心に残るお気に入りの沢。一方のウツボギ沢は人気のナルミズ沢に隠れて地味な存在だが、やはりナメと小滝が連続するきれいな沢。この二つの「美渓」をつなぐコースをいつか歩きたいと、タイミングを狙っていたのだった。

日帰り山行として選んだロングコースだが、せっかちに行動しては本末転倒。そこで早立ちはもちろん、ウツボギ沢に抜けるタイムリミットをもうけ、時間がかかりすぎるようなら戻るというルールを決め、気持ちを楽にして実施した。

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川越からレンタカーで、前夜のうちに水上の道の駅「水紀行館」へ。川越からだとすぐに高速に乗ることができ、しかも都内を抜けるときの渋滞を回避できるので、2時間以内に目的地に到着できる。川越へは自宅から池袋経由で1時間半なので、奥多摩とあまり違わない早さだ。早朝土合橋の駐車場へ移動後、沢装備をつけ朝食をとって出発したのが5時半と、まずは予定通り。

最初のハイライトであるハナゲの滝は、水量がすくなかったので難なく直登し、前回は大騒ぎして泳いだトロ場はあっさりと巻いて通過。ナメやナメ滝は相変わらず美しかったのだが、時間が早いせいか沢に陽が射さず、せっかくのナメの輝きを見ることができずに残念。また、前回なかった倒木があちらこちらに見られ、以前より荒れた感あり。

いつもののんびりペースながら順調に進み、赤テープベタ打ちの奥の二俣へ。沢は次第に高度を上げはじめルが、源頭部まで小滝が続きいつまでも水流があった。ブナの保水力のなせる技なのだろうか。尾根鞍部の丸山乗越は3年前よりもさらに踏み跡が明瞭で、けっこう人が入っている気配だった。尾根を越え枝沢を下ると、あっという間にウツボギ沢本流へ。

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さあ、ここからが未知の領域だ。ワクワクしながら遡行を開始。森に包まれた東黒沢とは雰囲気ががらりと変わり、真っ青な空の下、開放感あふれる明るい沢で気持ちも爽快になる。すぐに、小ぶりなウツボギ沢には不釣り合いな2段15mの魚止の滝があらわれ、予想以上の大きさに驚かされる。右壁を登り、上段は藪に入って小さく巻いた。滝上からはふたたび穏やかな渓相となり、明るい岩盤の小滝が続く。

二俣を左へと進む。ここから奥の二俣までは、ナメの合間に2~10mほどの滝が20個以上も連続し、しかもすべて登れるのだ。そりゃあ、もう、楽しくて仕方ない。「奥利根の山と谷」には万太郎本谷のミニ版とあったが、ナルミズ沢のようでもあり、つまりは谷川連峰の沢の良いところをすべて兼ね備えたミニチュア版の沢なのだ。

右岸で1450mの枝沢を分けると笠ケ岳方面が遠望されるようになり、さらに開放感と爽快感が高まる。時間的に余裕もでてきたので、明るい川原でソーメンタイムも確保できた。しだいに源頭部の雰囲気となるが、最後まで階段状のナメが続いており、とても快適だ。最後は藪こぎというほどでもない笹原をトラバースして笠ケ岳直下の登山道に抜けた。しかも予定よりも早く、上出来なり。

ここで沢装備をとき、ウツボギ沢の谷筋を眼下に見ながら白毛門へ。すばらしい展望だ。笠ケ岳から朝日岳方面へ目を向けるとウツボギ沢右俣が小烏帽子山に突き上げている様子が一目瞭然。白毛門に近づくと、丸山乗越へ続く尾根を挟んだ右手には東黒沢の谷が切れ落ちていて、たどってきた周遊ルートを目で追う。平日のため白毛門山頂は誰もいなくてとても静かなたたずまい。いいコースだったね。よく歩いてきたよね。私たち成長したよね。などなど自画自賛して、山頂をあとにした。

けれど、このコースの核心は下山路だということを忘れていた。いつも歩くたびに二度と歩きたくない!と思う悪路だ。今回も、今度こそ二度と来るもんか!と悪態をつきながらの下山となったが、きっとまたやってくるのだろう。この山域には魅力のある沢が目白押しなのだから。(sugi、ako)

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白毛門登山口5:30-白毛門沢出合6:15-丸山乗越8:50-ウツボギ沢出合9:33/9:50-笠ケ岳直下登山道13:15/13:35-白毛門14:05/14:15白毛門登山口16:35

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