ブナの沢旅ブナの沢旅
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2010.08.28
矢木沢川東メーグリ沢右俣~板幽沢下降
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2010年8月28-29日

 

昨年の秋に一度計画をしたものの天候不順で変更した東メーグリ沢が、ひょんなことから実現した。当初越後倶楽部のsamさんから朝日連峰の角楢沢の提案があったのだが、私には時期尚早と却下。代案として、ちょっと渋めの今回のコースとなった。kukenさんも参加となり車2台を確保。3月に歩いた雨ケ立から布引山の稜線を越えて板幽沢を下降する縦断コースをくむことができた。

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上毛高原駅でkukenさんにピックアップしてもらい、待ち合わせ場所の宝川温泉へ向かう。samさんと合流して林道を奥へ進むとすぐに車止めのガード。板幽橋手前の林業試験観測所まで入れるはずなのにおかしいと思いながらもおとなしくここに一台デポして入渓点の矢木沢ダムへ。林道が大きくUターンする手前の車止めから歩き始め、20分ほど歩いた堰堤先から川原に降りて沢支度。例年なら秋の気配が感じられる時期だが、焼け付くような暑さが続いており、沢に入ってホッと一息。

あまりの暑さに川が深くなっているところで水浴びに興ずる。少し泳いでみたが、穏やかな流れでもまったく先に進めずガックリ。所々の釜や淵はエメラルドグリーンでとても美しい。しばらく進み、幽嵓沢を分けるとゴルジュがあらわれる。二人は釜をへつって左手から越えて言ったが、私は早々に右手の巻き道に逃げてしまう。ブナ沢先の深い淵も左の巻き道を行くが、kukenさんはザックを浮き輪代わりに泳いで越えた。

淵を越えるとすぐに東メーグリ沢出合いとなる。25000分の1の地図ではメーグリ沢と表記され、先の二俣から西メーグリ沢と東メーグリ沢になっているが、「奥利根の山と谷」によると地図の表記は混乱しており、メーグリ沢は東メーグリ沢で、となりの赤羽コボラ沢が西メーグリ沢なのだという。多くの沢の会の記録でも訂正を踏襲しているので、ここでもそれにならって表記することにした。

東メーグリ沢に入ってしばらくは、小滝を連ねる穏やかな沢歩きがつづく。ちょうど昼時なのでソーメンタイムを取ることに。薬味の準備をしている間samさんにイワナ釣りをしてもらい、なんとか1尾確保してくれた。サシミにしてソーメンと一緒においしくいただく。

小1時間ほど休んで歩き始めると、最初の顕著な8m滝があらわれる。samさんはロープを引いて登り始めるが、直登は無理なので右側を小さく巻いて越えた。しだいにナメやナメ滝が続くようになり、期待した渓相になってきた。

すぐに二俣となり、地図で西メーグリとされている右俣に入る。事前情報ではみな高巻いているので当然そのつもりでいたが、直登しか頭にないsamさんはさっさと下段を登り始めた。最初は傾斜が緩いのでロープなしで歩けるが、上段はかなり立っている。滑ったら途中で止まるところがなく精神衛生上よろしくないのだが、水流左の乾いた一枚岩を登ってしまった。

kukenさんも右側の灌木沿いに小さく巻き上がる。私はロープ確保で登るが、心の準備をしてこなかったので最初は腰が引けてしまった。ただ、フリクションは良かったのでアクアステルスを履いていれば大丈夫だったかもなんて・・・ともかく、我が中年パーティは大滝を直登したのだった。

大滝を登り終えると同時に急に大降りとなり、危うく難を逃れることができた。しばらく雨宿りをしていると再び青空がもどって遡行を再開。雷雲は早々とに通過したようで、心配していた夜の降雨は免れた。

ふたたびきれいなナメが続き、7m多段滝は下がかぶっていたので左から巻いた。その後はきれいなナメやナメ小滝が続き、東メーグリで一番美しいところだと思う。スダレ状10m滝でもsamさんは水流際の直登を目指すが、シャワーに阻まれ断念。右に逃げて小さく巻いた。

さらに小滝を続けて越えていくがテンバ適地というものが見当たらない。そろそろ行動を終えようと、1250m付近の高台の平地を念入りに整地してテントを張る。沢の小さな中州で焚き火を起こすが、しめった薪で苦労する。それでも何とか様になり、楽しい夕餉となった。肉をそがれたイワナは味噌汁のだしとなり、さらに焚き火であぶって骨酒と、大活躍してくれた。

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翌朝は5時起床。男性陣はてきぱきと行動する。いつもは朝だらけているので、あおられてしまうが、おかげで6時半に出発できた。次第に源頭の様相となり、藪沢の風情となる。二俣のたびにルートを確認しながら、最後の二俣を左へ進むとついに沢型が消え藪となる。けれど藪は手強いと言うほどではなく、スムーズに稜線に抜けることができた。残念ながら藪で展望は得られなかったが、今年の3月に歩いた、その場所にふたたび沢を詰めてやってきたのだという自己満足を得ることはできた。

すぐに下降を始めると予想通りひらけた草原に飛び出し、やったーと大喜び。他の人たちは絶対に草原に出るんだという私の期待を本気にしていなかったようだが、ほらやっぱりあったでしょ。草原に寝転び、大はしゃぎの一時を楽しんだ。

獣道をたどると簡単に板幽沢源頭部の沢型があらわれ、あとはまっしぐらに下るのみ。とても楽な下降の始まりだった。途中再び気持ちのいい草原があらわれ、まるでキャンプができそうな雰囲気だった。

中流までは平凡ゆえに下りやすい沢だったが、布引沢を合わせた前後からダイナミックなナメやナメ滝が連続して俄然楽しくなる。東メーグリ沢とは陰陽の関係が感じられる渓相だ。ときどき怖々とクライムダウンしながら、登ったらさぞかし楽しいだろうと思う。その後は大岩ゴーロの滝が続き、暑さも相まって加減うんざりし始めた頃、板幽橋が見えてきた。最後は、ヤレヤレやっとついたというのが率直な感想だ。

橋に上がり、みな恥も外聞もなくびしょ濡れの衣類を着替え、さっぱりとする。予想外の長い林道歩きとなってしまったが、歩き始めてすぐに多くの車が駐車していてショックをうける。ガードは遙か手前に置かれていたはず。私たちは正直者だったようだ。多くは東京方面の車だったので、きっとナルミズ沢は満員御礼状態だったのだろう。

矢木沢林道まで戻ってもう一台の車を回収し、ここで長岡のsamさんとは解散。宝川温泉は料金が高いので、kukenさんと鈴森の湯に立ち寄り、上毛高原駅まで送ってもらい帰京した。

天気にも恵まれ、いろいろと変化に富んだテンコ盛りの楽しく愉快な沢旅となった。本来なら、ここで去りゆく夏を惜しんだ・・・と続くのだが、今年はいつまでも暑く、そんな感慨にふけってなどいられないのであった。(sam、kuken、ako)

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28日 矢木沢林道車止9:30-入渓9:50/10:05-東メーグリ沢出合11:15-1250mテンバ16:00

29日 テンバ6:30-布引山稜線8:15-板幽沢源頭部草原8:30/8:45-布引沢出合10:55-板幽橋12:53/13:10-宝川林道車止14:05