ブナの沢旅ブナの沢旅
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2010.06.05
蒲生川大白沢
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2010年6月5-6日

 

蒲生川大白沢は、この時期に山菜山行で人気のある「デート沢」。きれいな沢と評判なのでいつか行ってみたいと、だいぶ前から沢リストに入れていた。今回はいつものメンバーに加え、沢友達のsumireさんとだんな様のtakkaさんが参加することになり、のんびり山菜沢ハイキングを楽しむことにした。

朝小出駅でsamさんにピックアップしてもらい、道の駅いりひろせでsumire夫妻と合流後、sumire車で只見へ向かう。蒲生川林道へ入ると会津のマッターホルン、蒲生岳が近い。田植えが終わったのどかな里山風景を楽しみながら真奈川出合が近づくと、数台の車が止まっており、一組は沢パーティーのようだった。sumireさんが道の駅でひと言言葉を交わした人たちとのこと。う~ん、なんか見覚えあると思ってピンとくる。

3年前に貴重な記録満載の年報を購入したことのあるまほろば山岳会の人たちで、真奈川へ入るらしい。我々はさらに進んで大白沢出合へ。地元の人たちがテープを張った畑で山菜を収穫しているようだ。遠慮がちに駐車スペースを見つけ、沢装備。雲行きが怪しくなってきたところで作業道を歩き出すと、軽トラックのおじさんから、大白沢は急斜面の谷なので増水すると早いが、すこし待てば水が引くのも早いとアドバイスをいただく。

写真で見て心配していた吊橋は思ったほど怖くなく通過できてホッ。ワラビ畑のような平地の踏み跡を進むが、このころから雨が降り出す。しばらく降ったりやんだりの状態だったが、天候はしだいに回復していった。適当なところで川原に下りる。ゆったり広々とした川原から遡行を始める。今回はのんびり沢ハイキングなので、周りの森の新緑を楽しみながらゆったり歩く。

するとすぐに雪渓があらわれる。今年は残雪が多いので必ず雪渓に遭遇すると思っていたが、予想以上に早い登場だ。先が思いやられると思いながら越えると沢はひらけ穏やかな渓相となるが、長続きせず。ふたたび雪渓歩きとなり、出口はゴルジュ帯ですんなりと下りられない。ここはSamさんリードで懸垂。Takkaさんは沢をあまりやらないので懸垂は初めてとのこと。sumireさんにあれこれ指導をうけながら夫婦二人三脚。うらやましいなあ~。

時々あらわれる雪渓を越えながらなおも進むと、今度は雪渓の数メートル下が本格的なゴルジュとなっている。samさんは何とか下ってしまったが、その先はふたたび雪渓があって登り返しも厄介そう。そこで残り三人はゼンマイ道に逃げて高巻くことに。道は部分的に藪っぽいが見失うほどではなく、所々とても立派。素晴らしいブナ林に囲まれた憩いの小道風情だ。

適当なところでふたたび沢に降り、しばらく進むと初めて滝らしい滝があらわれる。快適に越えるとさらに深い釜を持った幅広滝が見えてきた。ようやく沢登りらしい渓相となる。多段の小ナメ滝はとても美しく、しばし撮影大会。いい雰囲気が続いたところで川原状の平地が現れ、すこし早いけれど1時半に行動を終えることとする。

水に近すぎるので、すこし上がった平地を整地してテントを二張り設営。段丘風の地形で、もう一段上に上がってみるとさらに素晴らしいブナ林が広がっていた。目ざといメンバーはすぐに山菜目となって斜面を這い回り、大量のゼンマイを収穫。何もしなくてもテントの目の前にはコシアブラ。山菜山行にピッタリのセッティングにみんな大満足だ。川原で焚き木を集めた後は自由行動。私はすこし先まで散歩に出かけてみた。

あくまでも穏やかな平瀬が続き、日の光でキラキラ光っている。周りはブナの大木が新緑を謳歌。みんなとっても幸せそうに調和して美しい自然を作り出している。そんな場所に自分がいられることの幸せをかみしめながら沢を歩く。

小滝を越え、大白沢の由来と思われる青白い岩盤のきれいなナメを過ぎると、左岸に開けた段丘があらわれた。きっとゼンマイ小屋跡に違いないと段丘に上がってみると片隅に朽ちたドラム缶が小屋の名残を伝えていた。地元の農家にとってゼンマイ作りはありがたい現金収入源だったと思われるが、気の遠くなるような重労働でもあったはずだ。などと昔の暮らしに思いをはせながら、ここからテンバへ戻る。

samさんは釣りに出かけていたので、今回買ってもらった竿を持って合流。セッティングをしてもらい滝下の釜に竿をたらしてみるが一向に当たりなし。大白沢はあまり釣れないという記録もあることだしと、すぐに手仕舞うが、samさんはさらに上流の釜で粘り、25センチほどの良形を一匹釣り上げてきた。

餌箱を落としてしまったとのことでノルマと課した4匹には及ばなかったけれど、ゼロと1匹では大違い。焚き火と山菜に華を添えるに十分だった。山菜調理は主にsumire夫妻が準備してくれて、ウルイのおひたしやウド、コシアブラのテンプラをおいしくいただく。メインの食事になる前に山菜でみな満腹だ。

早くからの宴会モードで男性陣は早々とテントへ引っ込むが、女性陣は焚き火を去りがたく、ようやく訪れた暗闇で揺らめく火をしばらく見つめながら一日を終えた。

予定は未定の起床ながら、起きるとtakkaさんが焚き火を熾してくれていた。夜は少し冷えたので、火の暖かさがありがたい。焚き火のそばで朝食をとり、のんびりとお茶タイム。朝の、このゆとりの時間が大好きだ。荷物は置いて軽いザックで沢ハイキングへ。

昨日歩いたゼンマイ小屋を通ってさらに進むと両岸のスラブが顕著となり、ふたたび雪渓があらわれる。いつまでたっても高度を上げずに平瀬が続き、沢幅もしだいに小ぶりとなる。530mの二俣の本流は右沢だが、雪渓に阻まれる。地図で見ると両岸が迫った地形が続いていてこの先も雪渓が予想されたので、ここで休憩して引き返すことにした。

目の前の斜面にはカタクリの花が咲き乱れている。今年カタクリを見たのは初めてではないかな。可憐な花を目で楽しんだ後は、少しだけ摘んで口でも楽しむことに。とてもきれいなので花を手にふたたび写真大会。たわいも無いことがとても楽しい。少し先に行ってしまったsamさんを呼び戻し、テンバにもどる。

残りのビールで一休みして荷物をまとめ、ゼンマイ道を戻ることに。一度も迷うことなく道は続いていた。昨日も歩いているのに、また森の素晴らしさに感動してしまう。ブナ林といっても山域によってそれぞれ風貌が違うのだ。会越のブナはより原始的で力強さを感じる。豪雪に耐え抜いているブナの風格だ。

夏の沢の恒例としているソーメンタイムをとるため、出合い手前の枝沢を下って川原に降り立つ。みんなで手分けしてソーメンの準備。カタクリを茹でてソーメンに散りばめていただく。初めて食べたカタクリはほのかな甘みがあり、極上のおいしさだった。これからは見るだけでは済まなくなりそう・・・入渓点の広川原に戻ると真夏の日差しが照りつけている。昨日下降したゼンマイ道に這い上がり、最後の山菜収穫とばかり一面に生えている蕨を少し採って車に戻った。

天候にも恵まれ、きれいな森ときらめきの平瀬、青空に映える両岸のスラブ、岸辺は山菜の宝庫。そして時々雪渓歩きのスパイス・・・毎年恒例化しようという声も上がるほど楽しくおいしい、のんびり山菜沢ハイキングだった。

5日 大白沢出合10:20-450m テンバ13:30

6日 テンバ7:00-550m二俣8:30/8:50-テンバ9:50/10:20-大白沢出合13:00