ブナの沢旅ブナの沢旅
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2010.04.26
塔ノ岳~鍋割山
カテゴリー:ハイキング

2010年4月26日

 

先週未丈ケ岳でたっぷり雪山を楽しんだ直後、常夏の国へ飛び、薄暗い部屋で連日会議という無粋な1週間を過ごしてすっかり体の調子がくるってしまいました。来週はいよいよゴールデンウィークの(私にとっての)大縦走がひかえています。なんだか心配になり、急遽丹沢を歩きに行きました。

大倉尾根は苦手です。だから歩こうということで、久しぶりの塔の岳。なにしろ今回は「行きたい」ではなく「行かねば」なのでいま一つ気持ちがのらず、バスの時間も調べなかったため、渋沢駅についたらバスは出たばかり。平日なので次は30分後。仕方なく目の前のミスタードーナツでドーナツとコーヒーで時間をつぶしたのですが、山へ行く前からコーヒーを飲みながら平日の安穏とした雰囲気にひたり、こんなのも悪くないなあと、まったり。

久しぶりに大倉尾根を歩き始めると、やはり山は山。しだいに気持ちがよくなってきました。今まで気づかなかったのですが、尾根沿いにはたくさんの豆桜の木があって、満開は過ぎているものの新緑と相まって良い感じでした。

前回歩いたのは去年の11月下旬でしたが、比べると随分登山道の整備がされていて木道が増えていました。とくに掘山の家から花立山荘までの歩きにくい階段の石が無くなって歩きやすくなっていました。

ゆっくり歩いて休まず一気に山頂へ。2時間20分でした。私にとっては上出来のペースで一安心。山頂は平日にもかかわらず大勢の人が休んでいました。そばにハーネスをつけたユニフォーム集団がいたので聞くと、神奈川県警の遭難救助隊の若者達でした。ご苦労様ですと挨拶をして山頂をあとに。

最初は丹沢山まで行こうと思ったのですが、なんだかとても遠くに見えて怯んでしまい、代わりに鍋割山を経由して帰ることにしました。鍋割山稜はブナがいい感じなので好きだったのですが、今回歩いてみて愕然。なんだかブナの墓場のように感じてしまったのです。

きれいなブナ林をたくさん見てきたからかなと思ったのですが、でもこの7年間だけでもやはり荒れている。なんか悲しい気持ちで鍋割山へ。なぜかずっと「あの素晴らしい愛をもう一度」が頭をめぐっていました。自分は何も変わっていないのに、心が通わない、あの素晴らしいブナをもう一度、の心境だったのでしょう。

春霞で富士山がかすんでいました。一休みして下山へ。下るにつれふたたび新緑が目にまぶしくなってきました。沢も新緑に覆われていて、シーズンの本格的な到来を感じさせます。もうすぐ沢へ・・・最後の林道歩きがいつも長く感じられて疲れるのですが、今回は対岸の栗ノ木同からクヌギ山の新緑がとても美しく、足を止めることしばし。午後の日差しの加減か、写真でその美しさが出ていないのが残念ですが、最後はこの新緑を見るだけでも来た甲斐があったと思うことができ、気持ちのいい一日となりました。

大倉9:30-塔ノ岳11:50/12:10-鍋割山13:05/10-大倉15:10