ブナの沢旅ブナの沢旅
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2009.01.18
南面白山
カテゴリー:雪山

2009年1月18日

 

当初は南会津の小野岳を予定していたのだが、先週の金城山で気をよくしたことから小野岳じゃあ物足りないと、急遽予定を変更。「大人の休日倶楽部」一日乗り放題1万円切符で山形まで日帰り遠征山行となった。

南面白山のある二口山塊には、大好きなブナの森とナメ沢がたくさんあってお気に入りの山域。これまでは冬山の対象に考えたことはなかったが、スキー場から入って日帰りしている地元登山者の記録もあり、遠くから想像するほど敷居は高くなさそうだ。駅がスキー場の入り口というのも便利だし、一度偵察もかねていってみることにした。

恒例となった朝一の新幹線で仙台へ向かい、仙山線に乗り換えて面白山高原へ。駅前が電車でしか行くことができないスキー場の入り口となっている。スキーやスノーボード客に混じってスキー場への階段を登っていく。いつもと勝手が違い少し戸惑いを感じるが、スキー場からの入山は初めてで楽しみでもある。

下から登山道を使うことも考えたが、雪の状況がわからないので時間にゆとりを持たせるため、リフトを乗り継いで一挙に900mまで上がってから尾根に取り付くことにした。問題は初体験のリフトの乗り降りだった。ザックが邪魔でベンチにうまく乗れずにあわててしまい、なんと一緒に乗ろうとしたYさんを振り落としてしまう。

リフトはすぐに緊急停止したので事なきを得たが、最初から冷や汗タラタラ。問題児だと思われたらしく、降りるときにはリフトを停止してくれた。あと3回乗り継がなければならず、緊張する。

乗るのはなんとかなったが、スノーシューをはいていたために足にブレーキがかかりそうで降りられない。タイミングを逃してリフトは逆方向へ下り始めてしまう。ここで再び緊急停止。後続の乗客にあきれられたに違いない。自分でも情けなく、トホホな状態でようやく900m地点へ。

リフトが核心の山行だね、などと軽口をたたきながら尾根の取り付きをさがすと、雪に埋もれかけた標識があった。尾根に乗ると、あたりは待ってましたとばかり、きれいなブナ林が広がっている。

細身だけれど、すくっと伸びて端正だ。積雪は例年より少なめのようだし、雪は思ったよりもしまっていて歩きやすい。尾根が広がっていてどこでも歩けそうだが、ところどころにあるテープにしたがって進んだ。

見渡す限りブナ林、どこまでも続くブナ林。さすが東北の山だなあ。早くも、この森を見ることができただけで遠征してきた甲斐があると感じてしまう。感激しすぎかな。しばらくすると地図で予想していた急登となり、ワカンに履き替える。

さあ、ラッセル頑張らなくては。ゆっくりとジグザグにステップを切っていくが、あまり沈まないのでそれほど苦労はなかった。1050mから再び傾斜が緩み、木々の樹氷は白さを増していく。見上げれば空は真っ青で、コントラストが美しい。

展望も開けてきた。樹林帯は矮小化し、ひと登りで山頂に続く稜線へ。南側の展望も開け、まさにお山の大将になった気分だ。大きく迫った大東岳に向かうように山頂へ。新しい標識は冬でも埋もれないように作られているようで背が高い。素晴らしい展望に感慨無量だ。

面白山の向こうには船形連峰が白く大きい。地図で見ても意外と近いことがわかる。船形山も冬にいけるかなー。西をみると山形平野の向こうに月山や前衛の葉山が見渡せる。南の尾根は遠く蔵王山まで続いている。秋に小松倉沢を遡行し、藪こぎの末にたどり着いた山頂の神室岳がユニークな山容を見せている。あの山もこの山も行きたいところばかり。

大東岳方面の眼下は、ブナの沢旅で始めて遠出をした沢、大行沢の源頭部。少しでも近づきたくて東側の斜面を雪原の鞍部に向けて下っていった。今度はぜひ大行沢を最後まで詰めてこの場所に戻ってこようねと話しながら、暖かい昼食をつくってくつろぐ。

時間的にはもう少し先まで進めそうだが、気持ちは十分満たされた。のんびり戻ることにする。下りは何と楽チンで気持ちいいことか。ワカンの方が雪を踏んだときのやわらかい感触がより足裏に伝わるような気がした。

惜しいくらいあっという間にスキー場上へ戻り、スキーヤーやボーダラーの華麗なすべりを眺めながら下山。電車の時間まで間があったのでゲレンデ脇の東やでティータイムをとり、山形経由で帰った。

東北の冬山は始めてであり、様子がつかめなかったのでかなり控えめなコースにしたところ予想以上に条件がよく、結果として短時間で終わり物足りなさも残った。けれど非力なわれわれにとって、これまで視野になかった冬の東北もあながち不可能ではないと感じることができた、大きな一歩の山行となった。

スキー場上9:50-南面白山12:15-1100m鞍部12:35/13:30-スキー場上14:30-スキー場下15:00