ブナの沢旅ブナの沢旅
▲トップページへ
2008.09.05
湯川
カテゴリー:

2008年9月5日

 

 朝一番の新幹線で福島駅へ行き、レンタカーで塩沢スキー場の駐車場で沢支度をして歩き始めたのが9時。丹沢の沢に行くのと変わらない早さだ。お金はかかるけど、大人の休日切符を使えば3日間乗り放題で12000円。うっすらとガスがかかる登山道を歩き僧悟台への分岐で入渓する。

しばらくはどんよりとした空模様のゴーロ歩きだけれど、しっとりとした木々の緑は新緑のように明るくきれいなので苦にならない。早くゴーロを抜けたいという心理が働くのか自然と早足になってしまい、Yさんに文句をいわれる。

左岸から滝を落とした枝沢が続けて入ってくるが、水量が多いため見栄えがしてきれいだ。しばらくすると最初の滝、5m滝があらわれる。右岸の岩壁から越えると渓相は変化を見せ始め、小滝やナメがあらわれてようやく期待していた美しい沢となる。

水量が多いため、釜を持った滝のへつりにはしばしば緊張させられるが、難しいというほどではない。と思っていたら、なんでもないところでYさんが足をすべらせて釜にドボン。ネットの記録でも同じようにドボンした人がいたとはご本人の弁。

右岸のはるか天井から落ちている滝をやり過ごすと、前方の樹林の間から白いものがみえてきた。三階ノ滝に着いたようだ。下段は左から登れるらしいが、近づくとものすごい水勢で直登する気になれない。

しばらく眺めてから右岸の巻き道を登ると下からは見えなかった三段目も姿をみせる。登るつもりはなかったけれど、一応ルートを確認してからさらに巻き道を登る。階段やら鎖まであって、どうやら登山道から滝を見に来るための道らしい。どうりで2段目からは登山道のような踏み跡だった。

滝上からはナメとなり、まったく違う地層となる。時々きれいな小滝をかけながらナメは続き、とても気持ちがいいところだ。左手に展望台のような岩壁を見上げる辺りはナメの沢幅も開けていて、ちょうど昼時なので休憩とする。

外ノ沢で味をしめたソーメンタイムだ。このころから空も晴れて陽がさしてきた。時間があるのでのんびり、まったりしてしまう。ハードな山行のご褒美みたいな沢だねといいあう。

つづく8mナメ滝は滑りそうに見えたが慎重に登れば問題なかった。すぐに壊れた橋が見えてきて二俣に着いたことをしる。ここで登山道が横切っているのだが、橋はずいぶん前から壊れたままになっているようだった。

二俣から先の登山道は沢の中を通っているので、一般の人は歩いていないのかもしれない。右俣出合には幅広の八幡滝10mが美しく水を落としている。階段状なので簡単に越えられる。滝上にでて目をみはった。緑滴る木々の中、それはそれは美しい天の川のようなナメが延々と緩やかな傾斜で流れているのだ。

うっとりしながら遡行といいたいところだけれど、気を抜くと一気に下まで滑り落ちそうだ。でも大丈夫。いざというときには右手の樹林脇に逃げれば鎖がたれている。

やがて階段状の斜瀑である中の滝20mがあらわれる。調子に乗って快適に登っていったのだが、上部で傾斜が出てぬめっていたため最後はちょっと緊張した。楽しく夢中で進んでいくと突然ナメが途切れ、霧降の滝25mが目の前に。

滝の水しぶきが陽に照らされてきらきら光り、その上を明るい木々の緑がスクリーンのように覆っていてとってもきれいで感激。でも、これで遡行もおしまいかぁとちょっとさびしい。滝を左岸から巻いて上の様子をみると沢幅は狭まり、小ぶりなナメが続いていた。もういいねと巻き道を戻り、せっかくだから違うルートで帰ろうと僧悟台へ向かった。

わずかの登りでついた僧悟台は低木樹林帯の中にぽっかり空いた広い平坦地で、安達太良山や箕輪山を望むことができるすてきな空間だ。かつてここに僧房でもあって、お坊さんが悟りを開いたところなのかしらんと思ってしまう。

陽の光は強いが、やはり秋の気配がただよっている。沢支度をといて大休憩。泊まってみたいなと思いながら腰を上げる。下山路も緩やかで歩きやすく、途中2回沢を横切って小一時間で入渓点に戻ることができた。

 

 

 

 

塩沢スキー場駐車場9:05-僧悟台登山口分岐(入渓)9:25-三階ノ滝10:50-屏風岩下11:50/12:35-二俣12:50-霧降の滝13:15-僧悟台13:50/14:30-駐車場15:45