ブナの沢旅ブナの沢旅
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2008.05.10
入叶津~沼の平~平石山~入叶津
カテゴリー:ハイキング

2008年5月10日

 

早朝の只見線に乗るため、前夜のうちに小出駅に移動。駅の近くにテントを張れそうなところを探し、スキー場への坂道の途中になかなか快適な場所を見つけた。のどかな田園地帯をのんびりと走るローカル線に乗ると、気分もそんなモードになってくる。

只見駅から予約しておいたタクシーで浅草岳登山口へ。不要な荷物をデポしてカタクリが群生する登山道を登ると、さっそく新緑のシャワーを浴び、期待がふくらむ。ブナの新緑と雪椿の赤い花のコントラストがきれいだ。700mを越えると雪が現われ、雪原をトラバースしながら進む。途中雪で覆われた小さな沢を横切るところでスノーブリッジを踏み抜いてしまい沢床に落ちてしまう。トホホ・・・危険なことはなかったが、もっと慎重にならなければ。

山神杉のすくっと伸びた杉の大木の脇には道標があり、石造りの祠が祭られてある。沼の平方面の道はロープでふさいである。中越地震のときに登山道がところどころ崩壊したらしく、以来立ち入り禁止になっている。けれどロープの先には端正なブナ林が広がっていて、否が応でも期待がふくらむ。

果たして、進むにつれ予想以上に素晴らしいブナの森が広がっており、感動の連続だった。沼の平へは小三本沢を渡渉するのだが、上流にはたくさんのブナが根元から倒壊していて無残な光景だ。

雪解けで増水した沢の渡渉を予想してきたので、沢用のネオプレーンソックスを持参したのが大正解だった。対岸の登山道も崩れており、近くに踏みあとのような迂回路ができていた。

あたりはフキノトウが群生しており、たくさん摘んで持ち帰った。急斜面を登ると起伏の少ない広い雪の森となって道がわからなくなり、うろうろしてしまう。地図と何度もにらめっこをしてようやく見通しがたった方向に進むと、眼下に青い水面の沼が見えてきてやったぁと、狂喜。

沼に降り立ち、あまりの美しさに息を呑む。青い水面には雪をかぶった浅草岳やブナの森がきれいに映し出されており、まるで異次元の世界にいるようだ。大きさからみて地図にあるササ沼らしい。これで現在地が特定できたので、これからのルートを協議する。

登山道は沼を回り込むようについているので、対岸の小尾根に乗る。その上にはさらに広い森が広がっており、ブナの木々が凛として聳え立っている。こんなに素敵な森に出会えてなんて幸せなのだろう。もう登山道を探すことも忘れ、向かう方向だけを確認して自由気ままに森を歩き回る。

右手の奥に神秘的な沼が見えてきた。曲沼の南端が見えたのだろうか。さらに進むとササ沼の西端を見下ろすようになり、その南隣に小さな沼もみえてきた。安沢出合のめどをつけたい気持ちもあったが、あまり素敵なところなので大休憩をすることに。季節の折々に訪れたい、とっておきの森をみつけた気分。今度は泊まりにきてみたいなぁ。沢沿いに進んでいくと二俣が見えてきた。

安沢出合にたどり着いたようだ。なんとか登山靴のまま渡渉して小三本沢沿いを少し登ると左手に尾根に乗る登山道らしき道が見えてきて胸をなでおろす。沿道にはオオイワウチワ。家向山の登山道にもたくさん咲いていたので覚えた。ばらくは雪のない明瞭な道を登っていくと、再び尾根が開けてすばらしいブナ林の雪原となる。

道が消えたのでコンパスで向かう方向をセットして緩やかな斜面をブナを愛でながら登っていくとしだいに急斜面となり、最後は藪を抜けて稜線へトラバース。途中から登山道より西側の斜面にずれたらしく予定していた三方分岐の小ピークではなく手前の鞍部にでた。あとは尾根沿いに下っていけばいいので気がらくになる。広いブナ林の尾根には単独者の踏みあとがあった。

平石山は山頂とは思えない平らな広場で、開けた南側からは蒲生岳や只見の山々が見渡せた。これからせっせと通うからね。あたり一帯はブナ林なのだが、沼の平のあとではなんだか色あせてみえる。

雪尾根の下りは快適でどんどん下っていった。山神杉峠にもどって石の祠に手を合わせ無事を感謝。来た道をもどって登山口に下りるとしばらくして予約していたタクシーが早めに到着。只見駅で休んでいたら観光案内の人に六十里越イベントのお饅頭をいただき、帰路についた。

帰ってからもしばらくは、沼の平のブナを想って夢心地だった。

登山口7:50-山神杉9:00-沼の平-安沢出合12:20-三方分岐(尾根)13:40-平石山14:00-山杉峠14:40-登山口15:20