ブナの沢旅ブナの沢旅
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2008.04.05
阿能川岳
カテゴリー:雪山

2008年4月5-6日

 

アプローチがよく展望抜群で、ブナの雪原が美しいという、谷川国境稜線の南にそびえる阿能川岳。日帰りできる山だが、テントを担いでのんびりしようと出かけてきた。

水上駅からタクシーで仏岩ポケットパークへ。東屋とトイレ、公衆電話があって快適な駐車場だ。登山口の標識がたつ杉林のつづら折の道を30分ほどで赤谷越に到着。気温が高くすぐに汗ばむ。左が吾妻耶山への登山道で、右手には阿能川岳歩道と書かれた標識がある。

雪はほとんどなくなっているが歩きにくいということもなく、小さな起伏にはトラバースの道がついている。しだいに雪がついてきて、最初の目印となる1117mのヨシガ沢山につくと、あたりが少し開けてきて背後には吾妻耶山が大きく見える。気持ちのいい雪原台地の山頂で、すでに二度目の休憩。

鉄塔の下を通り1230mは知らないうちに通り過ぎてしまう。巡視路らしき山道はなくなるが、尾根は気持ちのいいブナ林となって緩やかに登っていく。やっぱり雪のブナ林っていいなあとしみじみ思う。

1350mあたりからは地図でも予想していた通り岩峰の痩尾根のアップダウンが続くが、踏み跡もあり左右どちらかを巻けば問題なく通過できた。けれど一箇所2mほど氷が張り付いて切れ落ちているところでは立ちすくんでしまう。

ここはYさんに先行してもらい、木の根を手がかりに足の置き場所を教えてもらいながらなんとか無事に通過したが、自力では超えられず情けないっ。ホッとしたのもつかの間、さらに藪の小峰を越え、急な雪面を登ってようやく三岩山に。ここまででも十分満足できる抜群の展望だ。

ゆっくり地図を眺めたい衝動をおさえて先に進む。阿能川岳までの稜線は予想以上にすばらしいブナ林のプロムナードで、苦しかった岩峰の連続を越えたご褒美のようだ。そしていよいよ山頂へ。

雪原台地の頂上は360度の展望で、目の前には谷川岳から小出俣につづく俎ぐら山稜の三山がど迫力でせまって圧倒される。北西方向に目を向けると仙ノ倉北尾根の稜線が白く美しい。3週間前はあの向こう側を歩いたんだねと感慨もひとしおだ。心ゆくまで展望を堪能し、東南尾根を下る。

広い尾根を快適にひと下りすると難所の岩峰へ。この山を知るきっ かけとなった「岳人」の記事では、岩峰を越えるか切り立った雪面を巻くと書いてあったが、とても岩こぶを越えられそうにない。少しもどって踏みあとをたどることにした。

ここからはストックをピッケルにかえて右手の谷の急斜面をバックステップで30mほど下ってから斜面をトラバースしてクリアした。これでもう一つの難所を越えてほっとする。しばらく急斜面を下っていくとブナ林が広がるようになり、傾斜が緩んだ1370m付近の三本ブナの脇にテントを張ることにした。テントの中から吾妻耶山が見えるなかなか素敵な場所だ。

翌日は下るだけなのでのんびり出発する。怖いくらいの青空が広がり、雪面もしまって歩きやすい。しばらく続くブナ林の尾根が朝日に輝いてきれいだ。早く下ってしまってはもったいないと、左手に見える山々を時間をかけて地図で確認する。とても大切なことだ。

地図上の距離と目で見た感覚を一致させる勘をもっと養いたいと思う。しばらく進むとしだいにやせ尾根となり、藪のこぶをいくつか越える。鉄塔を越えたところからはかすかに道ができていて、標識杭やテープがつけられている。

960mの分岐は気をつけないと南に延びる尾根に進んでしまいそうだ。尾根は左に折れ曲がるように下っていく。じつはショートカットで谷川温泉方面の林道に降りる尾根を下ったつもりだったのだが、結局もとの尾根を下っていたという、笑うに笑えない地図の読み間違いをしたのだった(冷汗)。

900m付近からは雪がなくなるが、すっきりとした緩やかな雑木林の尾根を快適に下っていくことができた。鉄塔を2度くぐり、杉林を抜けて寺の裏手に出ると、里は春爛漫の風情であった。

雪の時期にしか登れない山とはいえ、藪はそれほど酷くなさそうだし、途中まで巡視路があるので、もう少し遅い時期にブナの新緑を見に来てみたい。そう思わせるほど素敵なブナ林がたくさんある山だった。

5日  仏岩P8:55-赤谷越9:20-1230m11:10-三岩山14:00-山14:30/15:00-1370mテンバ16:00

6日  テンバ8:00-水上寺12:00