ブナの沢旅ブナの沢旅
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2008.03.15
東谷山~日白山~長釣尾根
カテゴリー:雪山

2008年3月15日

 

スキーやスノーボードの若者で満員の新幹線とバスを乗り継ぎ、二居スキー場前で下車。東谷山の尾根に乗るには元スキー場のゲレンデを登るのが近道だが、かなり急斜面なので遠回りでも緩やかな二居峠への登山口から入る。最初からスノーシューをはき、ジグザグに30分ほど登ると東屋のある二居峠へ。しだいに傾斜も増して鉄塔の立つ広い尾根に乗る。

眼下には国道や町並みが見渡せて裏山の風情だ。しばらくは雪庇の張り出した痩せ尾根を登っていくと岳樺林となり、雰囲気がよくなってきた。さらに進むと、ある地点を境に線を引いたようにブナ林となり一気に気分が盛り上がる。

少しガスっていたこともあいまって、広い尾根一面の樹氷のブナ林はとても美しい。ここのブナは幹が端正で木肌がきれいだ。先週の神籠ケ岳のブナ林に勝るとも劣らないというのが共通の感想。

高度を上げ、森を抜けると右手に平標~仙ノ倉の稜線が真っ白な勇姿を見せ思わず歓声をあげる。曇っていた空が晴れたためのドラマチックな展開だった。1500mを越えると尾根は真っ白な世界となり東谷山へ。めざす日白山へは急傾斜のピークを二つ越えていく。

南尾根は平標の稜線へと続いており、すぐにでもいけそうな近さだ。あの稜線をいつか歩いてみたいなと、どこへ行っても同じ事を思う。日白山への最後の登りから再びガスが出始めて、山頂についたころには何も見えない状態に。けれどここからは歩いたことがあるコースなので、簡単に昼食をとり予定通り長釣尾根を下ることにした。

 

 

 

ホワイトアウトの中コンパスと地図で確認しながら慎重に進んだ。けれど1550mの尾根が広がっているところで微妙にコンパスの角度を読み違え、隣の尾根に乗ってしまう。100mほど下ったところでガスが薄くなり、地形が見えてきて間違ったことを確信。

見た限りではそのまま下っても行けそうだったが、間違えたら戻るのが鉄則と、気を取り直して登り返す。視界もかなり回復し、これから行こうとしている尾根が毛渡沢まで長く蛇行して続いているのが見渡せた。

勘違いの原因は、地図の尾根線の引き方が正確でなかったために方角が微妙にずれ、細かく派生している別の尾根と見間違えてしまったことだった。明瞭な尾根なので晴れていれば迷うことなどないのだが、ホワイトアウトの怖さを実感する。

またひとつ、いい勉強をすることができました。視界が回復すると360度のパノラマだ。今度はかなりの時間を使って地図を広げての山座同定を楽しむ。こういうゆったりとしたひと時が大好きだ。下るにつれ前方には足拍子岳~コマノカミノ頭のシャープな姿が明瞭に。
2年続けて登ったクロガネノ頭と足拍子は、メンバーの滑落などいろいろな出来事があった思い入れのある山なのだ。今年こうして再びその姿を、二つの意味で違う場所から見ることができしみじみとする。滑るように快適に下り、すぐに毛渡沢の堰堤前に降り立った。

あとは雪に埋もれた長い林道を歩くだけだ。途中二組の山スキーパーティに道を譲る。最初の2人組は西ゼンを下ってきたけれど、雪崩でずたずただったとのこと。朝の新幹線が一緒だったらしく、スノーシューと時間がかわらないなんてショックだと言われ、内心ちょっぴり晴れがましい気分。

続くパーティは駅で話を交わしたところなんと、西黒尾根から登って万太郎から降りてきたとのこと。すっ、すごすぎる-。私たちを見てハイキングですか、と。確かに。心地よい疲労を感じながら土樽駅から越後湯沢へと向かった。

 

 

二居登山口8:45-二居峠9:20-1050m鉄塔(尾根)9:55/10:05ー東谷山11:30/55-日白山12:55/13:10-1160m15:00/15:10ー毛渡沢16:00-林道終点17:00-土樽駅17:35