ブナの沢旅ブナの沢旅
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2005.07.03
鶏冠谷右俣
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2005年7月3日

 

例会後に、一度丹沢で沢トレをしてもらったKS君に、内心思いきって、でも一見さりげなく、今度の日曜日に沢に行かない?と言ったらすぐに、行きましょうと言われ嬉しくなる。車がない日帰りだから丹沢の沢にしようと話していると、HKさんがどこかに行くの?と、行きたそうに声をかけてきたので、すかさず一緒に行こうよといって、ついでに車を確保。

それならばと、私の「行きたい沢100選」から、下山が楽で時間もかからない鶏冠谷右俣を提案。こうして、ひょうたんから駒のように、急きょ鶏冠谷右俣が実現したのだった。

前夜10時に海老名駅で待ち合わせ、HKさんの大きな車で西沢渓谷入り口近くの道の駅へ行きテントを張る。翌朝、廃屋となった東沢山荘前の小さな駐車場に車を移動させ、歩き始める。西沢渓谷への遊歩道をたどって笛吹川のつり橋を渡り、道標のたつ鶏冠谷出合で沢支度をして入渓。

薄暗い出合から鶏冠尾根に登る道をわけ、小滝をいくつか越えていくと10mの魚止めの滝があらわれる。水量があり迫力がある。KS君がリードして右壁から登り、中段のバンドを左によって水流沿いに直登するが、予想以上にシャワークライムになる。そのあとはしばらく平凡なゴーロとナメが続く。

右岸に飯盛沢を分けてしばらく行くと、小さな釜があらわれる。腰まで使って左壁をへつっているKS君が途中でスタンスを探して立ち止まっているので、私は手前から巻こうと思ったが、すぐに行き詰まってしまう。

そうこうしているうちに通過したKS君が、足を伸ばせば小さなスタンスが水中にあるというのでトライしてみる。私の足では届かない!ああだ、こうだと足を伸ばしている内にやっと小さなくぼみを発見。やったーと大騒ぎする。いまはまだ、こんなことでも大はしゃぎしているが、そのうちなんでもなくなるのだろうか。

しだいに大岩のゴーロになっていくと左手に奥飯盛沢がそそり立ち、行く手にはいい感じの3段12mナメ滝があらわれる。左から登って1段目の所を右にトラバースして登るのだが、つるつるして滑りそうなのでロープを出してもらう。

つづいてこの沢のハイライトらしい2m逆くの字滝。上がツルツルで一見登れそうになく見えたが、必要なところにしっかりと残置支点があってシュリンゲがかかっている。ここもロープを出してもらい、上はほとんどゴボウで登る。その後は難しい所はなく、ナメや小滝をいくつか越えて二俣に到着。平べったい大岩の上で昼食の大休憩を取る。

ここからが右俣のはじまりだ。出合いすぐのゴルジュ帯25m滝が見えるが、左俣側から大きく巻き、支尾根をまたいで沢床に降りた。ナメ、小滝に続き30m滝が見えて来た。ここは右壁を登る。上半分は右に逃げるが、グズグズの草付き泥壁で足下がすぐに崩れる。最後の一歩は補助ロープを出してもらう。

その後はナメ滝、小滝、ナメ、ナメ、ナメ滝が途切れることなく続き楽しいのだが、岩が赤茶けてぬめっていて滑りそうで怖くもある。5x10mの上部がホールドのないツルツルした岩になっているナメ滝をKS君はフリクションをきかせながら小さなくぼみを利用してバランスを取り、フリーで登って行った。ロープを出してもらいたかったので、HKさんに先に行ってもらう。彼はかぶり気味の右壁沿いに、大岩を持ち上げるようにしてKS君とはちがうルートで通過していった。

ロープを出してもらったが、フリクションに自信がなく、ホールドがあった方がいいと思って右壁沿いに登った。けれど足下が滑りやすく、案の定バランスを崩しすべってしまった。確保されていたものの一瞬ひやっ!宙ぶらりんの状態でロープをたぐり寄せて登ろうとすると、HKさんは私を一旦下に下ろそうとしてロープを緩めだした。下を見ると囂々の滝。大騒ぎで「緩めないでぇ-!」と叫び、再びゴボウで少し登り返し、KS君が使った小さなくぼみで足場を固めなんとかクリアするという顛末だった。

あとで、手でロープをつかんで登るのではなく、プルージックをかけて事故脱出のようにすれば腕も疲れずいいのだとアドバイスを受けた。また一つ、新しい経験をして学習しました。休憩中に二人が、あれは「ヒヤリハットかな?」などと話をしている。結論は、危険性を予知して確保し無事だったので、該当しないということになった。ほっ!

ナメ滝はさらに続く。中にはまるで大きな滑り台のような2-3段のナメもあり、暑いときにすべったら楽しそう。つぎつぎとナメ滝を越えていく内に、左岸に枝沢が入り、行く手に40m大滝が見えて来た。ここで遡行を終了する。大滝先の左岸の枝沢もさらにナメ滝がつづくらしい。もっと行きたい気持ちもあったが、紅葉の季節にまた来たいと思った。

枝沢を少し登ると水も涸れてきたので、沢そう帯をといて右側の支尾根にのる。踏み跡を拾いながら笹藪を進んで行くと、しだいにシャクナゲの藪となり、けっこう手強い。40分ほどかかって戸渡尾根の登山道に飛び出た。

歩きやすい道で、早足でどんどん下って行ける。徳ちゃん新道は最初は急だけれど、快適な散歩道の風情で、途中のカラマツ林がとても美しいところで休憩する。HKさんのカメラの最後の一枚を、タイマーを使って3人で記念撮影し、はなかげの湯に立ち寄って楽しい沢登りの1日を終えた。

あとでKS君に、だいぶ沢になれてきましたねと言われ、ご褒美をもらった気分。けれど足の速い彼について行くのはまだまだ大変で、今回はHKさんが写真撮影タイムをたくさん取ってくれたおかげでペースダウンができた次第でした。鶏冠谷右または、ちょっと怖そうな名称とは裏腹の、優しくきれいな沢でした。

入渓6:50-二俣9:50/10:20-40m大滝下12:45-登山道13:45-駐車場16:00